Home ウィトゲンシュタイン的雑感(Internet Resources 編集雑記) 2003年

PC雑感 -2001-

PC雑感 2002
PC雑感 2003

●かくして老人は暴走族になる (2001/3/3)

 先日、主機のCPUをDuron/700MHzからAthron1.2GHzに、そしてメモリーを256MBから512MBに増設変更した。さらに、秋葉原でMSIのK7TPro2-A(6330)が9999円で売られていたのでマザーボードも変更した。実はこれまで同社のK7Pro(6340)を利用してたのだがひどい代物だったからだ。1)クロックの変更が無茶苦茶だったのと(102MHzにFSBを切り替えるとなぜかCPUのクロック表示が266MHzとかになり、実際無茶苦茶遅くなる)、2)PS-2マウスを使うとマウスカーソルが突然跳ねてどこかへ跳んでいってしまう。3)Windows2000でローカルエリア接続を解除すると突然リセットが発動されてしまう(遊技王のトラップカード・コンボにハメられたような後味)。などというかなり致命的なバグ満載という基板であった。とはいっても、ノーマル仕様でUSBマウスで使う限りはさほど問題もなかったから、使えるには使えた。製品保証期間中だから、メーカーに修理して貰うということを考えている。新しい基板では先の問題は生じていないが、電源投入時に中国語の起動メッセージがビープノイズに混じって耳をつんざくのには閉口する。マニュアルによればこの機能はディセーブルにできないという。ジャンパ1本外せばいい~。という訳にはいかないのだ。うーむ。結局どこか1点は必ず不満が残るのが日本的ではないな。と思う。

   最近の秋葉原は明らかに台湾の植民地市場になってしまっている。パソコンはすでにフリース等の繊維商品や食品などと同じ家庭向け商品の価格帯に下りてきているせいもあるだろうが、それにしても、どうした「電子立国日本」。

   Windowsを高速にするには、いろいろな手段があるものだとつくづく今回のアップグレードで勉強することになった。CPUを高速にするのは手っ取り早いがそれだけではだめだ。メモリを大容量にすると、たとえばInternetExplolerのようなソフトの起動が実に高速になる。クリック直後にウィンドウが開くようになった。Windowsはノーマル状態でもかなりのメモリを論理的にシェアしているので、仮想メモリ無しでは動かないのだが、使用していない部分をいわゆるスワップアウトでHDへ退避させる部分が主メモリを増設することで減少するためにハードディスクへのアクセスが減ることでシステムのスループットが改善される。最近は驚くことに、256MBのメモリが8000円程度なので、512MBでも2万円しない。初代9801の時代では256KBのサードパーティのメモリ基板を25,600円で買った覚えがある。実は純正品も購入当初に入手したが値段は覚えていない。たぶんその倍額以上だったろう。88年前後にMacの1MBの30pinSIMMは秋葉原でも2万円程度していた。それをUSから並行輸入で$99で買っては悦に入っていたものだった。

   体感的には、ビデオカードのアップグレードが最も印象的な効果をもたらす。今回はGeForth2 MXというビデオカードには手を付けなかった。87年から97年までの約10年間、ずっとMacintoshを2ビデオカードで使用してきたことがあり、モニタ2台あるいはそれ以上の環境がどれほど便利であるかはよく知っているつもりなので、近々2Headのビデオカードに取り替える予定にしている。とはいうものの、主モニタが17inchであるので、実用上は1モニタでもさほど苦しくはない。Macintoshの時代では640*480のVGAモニタを2台利用していた。大型モニタも安価になった。しかし、17inchモニタを2台並べるスペースを確保する方が実は難しい。

   CPUの変更は確実にシステムを高速にする。1.2GHzのAthronは、ベンチマークテスト・プログラム的には同一クロックでPentiumIIIの110%程度の性能がある。つまり、PentiumIIIなら1.3GHz相当程度だ。もちろん、ベンチマークテストそのものが信頼できるか。という問題はあるだろうが、同一ソフトでそれだけの性能差が出ると言うことだ。ただし、Pentiumはマルチプロセッサ使用が可能だから、Windows2000とかLinuxで使用するなら複数のCPUを実装してみる価値はあるだろう。ただ、どんな場合でもマルチプロセッサを望むならその時点で入手し得る最高速のCPUを選択すべきであろう。とすれば、それはとても高価な選択になる。

   歳を取ってみて感じることがあるとすれば、残り時間を計算しながら仕事をしなくてはならない。ということだ。若いときにはそんな考えが自分の頭をかすめるなどと思いもしなかったが、実際、平均寿命的に折り返し点を回ってしまうと、そういう考えが去来するようになってくる。うーむ。だから、コンピュータの処理待ちで待たされるということには我慢がならない。その場その場で1秒程度の待たされなら気にならない。といえるかもしれないが、年間を通じていえばかなりの時間になるはずだ。それが仮に年間で10分間であっても、システムの高速化によって、その取り戻せない時間は「買える」のである。だから、高速なシステムは買いなのだ。とはいうものの、64KBitのISDNではそもそも待ち時間が大き過ぎる。ADSLはこの意味で必須ともいうべきアップグレードの対象にしている。



●安物買いの銭失い (2001/3/17)

 昨年の9月に秋葉原で購入したMaxtorの30GBのHDDが昨年末に壊れた。症状的に言えば、マザーボードのBIOSでさえHDDが認識できない。というもので、リセット後、ヘッドのシーク音はするのだが、単調なシーク音を繰り返すという無限ループにはまりこんでしまうというものであった。販売店によっては、HDDの様な商品は「部品」であって、保証は購入後1週間。というところが多いが、たまたま購入した店が1年保証をうたっていたので、クリスマスイブにわざわざ出かけて修理依頼を行った。もちろん、症状的に修理が可能だとは思われない程度なので、新品交換になるかな。という期待もあった。

   代替えはどうしてもすぐ必要だったので、修理依頼を行う少し前にSeagateの30GBのHDを購入した。Maxtorの製品は大昔、仕事で使っていたMacintoshIIfx の内蔵HDの320MBのSCSIのHDを使ったことがある。これも初期から調子が悪くて閉口した覚えがある。当時、240MBのHDでさえまだ10万円以上だったから、そう易々と取り替えることなどできなかったからだましだまし使っていた。そんなこともあってMaxtorとは相性が悪いという印象がある。

   これまで、HDDは何個使い、壊れていったのだろう。個人的に使ったHDDを列挙するとだいたい以下のとおり。

 98用(20MB/NEC, 80MB/Fujitsu, 230MB/Quantum)
 Atari (40MB(2)/Seagate)
 Amiga (80MB Quantum)
 Mac用(20MB/Seagate, 80GB(2)/DEC 230MB, 520MB, 740MB /Quantum, 320MB/Fujitsu)
MacPB (165C/80MB/Quamtum, 1400CS/3.2GB(Quantum))
 PC(80MB/DEC 1.6GB, 3.2GB, 6.4GB (Quantum), 8GB(2)/IBM, 16GB/WD, 30GB/Seagate,Maxtor

 個人的にさえ20個近いHDDを使ったことになる。そのほかにもリムーバブルSyQuest42MB(2),  ZIP(2)などもある。SyQuestは1台目はやはりヘッドの動作不良で壊れている。さて、この内現在でも生存しているHDはどれだけあるか。不思議なことだが、100MB以下の5インチHDはほぼ全部生存している。Quantumの240MBは全滅、1.6Gも×。Fujitsuの320MBも×。それとMaxtorの30GB。

 ただ、Quantumの240MBは電源を供給するケーブルが断線していたことを後で発見したこともあり、これは壊れたのではなく、むしろ壊したという部類にはいる。MTBFを下回りつつ致命的な壊れ方をしたのは、Fujistuの320MBとMaxtorの30GBだ。富士通のHDはMacintoshでプログラム開発を行っていた時分のことで、ソースファイルのバックアップとかも半分程度しか保存しておらなかったので、結構泣くに泣けない状況に陥った。こんな事故のおかげで、ミッションクリティカルなファイルは必ずバックアップを取る。という習慣が身に付いた。だから、Maxtorの30GBが壊れたときでも重要なファイルを失うことはなかった。といっても、メールのログファイルは逝かせてしまったが。

   現在主機のデータバックアップには内蔵型IDEのZIPドライブを使っている。CD-Rはテンポラリなバックアップにはあまり馴染まないような気がする。むしろFIXしたデータ類を保存するような場合には最適だ。そういう場合には2枚はバックアップを作るようにしている。最近、2枚とか4枚といった複数枚のCDを収納できるケースが売られていて重宝している。

   もう一つ壊れたHDDは1.6GBでLinuxで用いていたHDDだった。RedHatの3.1だったか、最初に使っていたNetaTalkが、MacOS 8.1と相性が悪く、サーバーに保存されたファイルのアイコンが24時間、画面上でダンスするというバグがあった。たぶん、それが原因していたのだと思う。ほったらかしにしていたら、そのダンス中ずっとHDがアクセスされて続けてMTBFを食い尽くしてしまったのだろう、まさにヘッドクラッシュしてしまった。

   おおよそ15年間で20個以上HDを使ってきて、個人的な環境でファイル消失を伴う事故にあったのは3回だけ。多いとも少ないとも。ただ、仕事環境での事故といえば、これにいくつか加わる。HDの電源だけが壊れた事故が2回。他人が電源ON状態のSCSI-HDのコネクタを抜き差しして、ディジーチェインでつながっていたHDを全部飛ばしたことの巻き添えで個人持ちのSCSI/ST406(だったと思う)変換基板を壊されたのが1回。IDEのQuantum/WDが壊れ事が各1回。MicroPoliceの4GBSCSIの回転軸が壊れたことが1回。という程度か。

   総じてSCSIのHDDを多く壊しているけど、これは長い間Macintosh環境で仕事をしてきたせいで、確率比率の問題だ。HDDは壊れないが再フォーマットを行ったという例は、System6.0.x以前の時代は頻繁にあった。MicroPoliceのHDDはスピンドル・モーターのグリスが切れていて、回転中にジェット機のタービン音位の凄い音がしたものを営業が持ってきた。その内部データを他にコピーしている内に目の前で壊れてアクセスができなくなった。これについては、データが顧客のものであったこともあり、BYTE誌のclassfied広告をもとに、米国の支店を通してデータサルベージ会社にデータサルベージを依頼した。しかしながら、結局彼らもそのデータを救うことができなかった。壊れたのはYanoの4GBの外付けSCSIドライブだった。放熱ファンが小さすぎて熱排気が十分出来ない筐体が原因していたのだと思われる。スピンドルモーターのグリスの揮発なんて放熱障害以外に原因は考えられない。この件があって以後、サーバー系のPCの熱排気には気を遣うようにしている。具体的には内部に専用ファンを別途設けて、HDDに直接風を送るだけのことだが、2年目以降の信頼性が格段よくなるようだ。HDDも使用時間が経過するに従って回転音が大きくなるものだ。さらに事故がおこる前兆として金属音系のノイズが間歇的に出始めたら要注意。それでもさらに2年以上動いているHDもあるけれど、そういう状況になって壊れたらそれは注意不足というものだろう。HDDを冷やしながら使うということはあくまでも延命対策でしかない。壊れる時は心臓麻痺のごとく一瞬にして訪れるものだ。

 IDEのHDが壊れたときは、頼まれもしないのに徹夜してその壊れ方を調べたことがある。WesternDigitalはその種の検証toolをきちんと用意していた。96年位の話だが、インターネットのサイトからダウンロードして、シリンダ・セクタ毎にどのようなトラブルが生じているのかデータを取った。すると、しっかりヘッドがプラッタをこすったような感じで複数のトラックを撫でながらセクタ・シーケンシャルにCRCエラーを生じるのを見ることが出来た。直に削るようにしてこすった部分はもっとひどいエラーが記録されていたと思う。ヘッドクラッシュ(ヘッドは壊れていなくてもプラッタが削られて異常フォーマットになっている場合もヘッドクラッシュであると呼ぶことにしよう)の場合、中央と外縁ではエラーの程度の軽重に差が出る。その検証の後、事故HDDをWD謹製のローレベル・フォーマッタで再フォーマットしたのだが、初期のIDEはトラック代替え機能など無く、メーカー謹製のローレベルフォーマッタでも解決できなかった。つまりDOSのformat.exeが途中ハングアップするので結局は廃棄したのだと覚えている。さらに事故を起こした別のHDDはQuantumのIDEで、0シリンダ不良でHDのパーティションを記録するID部分(0トラックの1stセクタ)の読み書きができずこれも廃棄した。800MBクラスのE-IDEドライブだったと思うが、一般にIDEドライブは不良トラックの代替えができないので、IDセクタをやられた場合、他がまともでも「お陀仏様」になる(あまりいい語感ではないですねやはり)。SCSIドライブならトラック代替え機能は当たり前なので、IDセクタのあるシリンダを代替えして非常時バックアップが可能になる。しかしIDEでは難しい。IDセクタが死ぬと再フォーマットして再利用することさえできない。それ故、今でもサーバーにはSCSIのHDが推奨されるのであろう。もちろん、きちんとした修復tool類を持っていなければ何の役にも立たないけれども。ノートンのディスクドクターはそういう用途としてはポピュラーなtoolだ。あまりお世話になりたいとは思わないが。

 個人で使っていた富士通のHDDは、やはりヘッドクラッシュをある日突然起こした。事故後しばらくの間はフォーマットなども出来たからヘッドが壊れたというより、プラッタに傷が付いたという方が正しい。しかしながら損傷の程度著しく、不良トラックがあまりに多すぎたので、代替えトラックが不足してSCSIコマンド07の初期化さえも途中終了した。そして最終的にはドライブの製造者コードなどの認識(インクワイアリ)も出来なくなった。心臓停止・脳波停止といったところか。Maxtorの30GBは先にも述べたとおりBIOSでの型番識別ができないので、フォーマッタどうのこうののレベルで対処できる以前のトラブルである。ST506インタフェースのHDDの時代には "SpeedStar" という名前のDiskToolがあって、BIOSのHDのスキューファクタ設定などを適宜設定したりできたが、最近のHDDは容量が大きすぎるので、昔風のUserDrive設定で試すまでもないと思えた。壊れたHDDを無理やり動かしたところで結局よいことは起きない。format.exeは通っても、実際データを書いてみると消失するなどという事例はよくあることだ。つい最近でも、出来たての不良セクタのあるHDDでWindows2000が起動直後から(.DLLが無いとかいう)エラー続出だった例がある。ちゃんとFormatしてFAT(File Allocation Table)あるいはそれもどきの管理テーブルからマップアウトすればそうした「お化け的」トラブルは解決するものだ。checkdiskは時には必要な自己診断だと思う。ヘッド(プラッタ)クラッシュしたHDDが厄介で信頼性が低くなるのは、再使用後の経時変化で傷口が大きくなり、不良シリンダ・セクタが動的に増え易いということが原因だ。だから、いったん不良セクタが生じたら、定期的なガン検診を受けなければならない。最近のHDは安いので、まぁ、主機なれば早めの交換こそ望ましい。

    ハードウェア・トラブルに見舞われた場合の手立てとして、最も手っ取り早いのは代替え部品と交換してしまうことだが、性格的な傾向というか、僕的には原因と状況を徹底的に調べないと気が済まない質なので、もう、とことん付き合ってしまうことになる。学ぶことも多いけれども、失う時間も長い。

   最近はHDDも容量が巨大で、バックアップを行うのはDATでも容易ではないだろう。RAIDはその意味で、これからは必須かもしれない。

   例のMaxtorの30GBだが、3ヶ月近く販売店から音沙汰がないので確認してみた。やはり新品交換になった。しかも代替えが無いのでATA100の40GBのHDになるという。3ヶ月寝かせておいたら容量が30%も増えてATA66が100に化けた勘定になる。ゼロ金利のご時世にあって、これは破格の「利息」というべきか。こういうことなら、何度でも壊れて欲しい(もとよりジョーダンではあるが)といったら誰に対して失礼になるだろう?





●CDトラック・カッティング・マシーン (2001/3/27)

  今現在、我が家には現役使用に耐えるPCのマザーボードが8枚ある。(286/8-12MHz と486/33MHzといった太古の基板もあるにはあるけど....)その内訳をいうと、まずSocket7型が2枚(といっても200MHzが上限の基板)、Slot-1が2枚、Socket-Aが3枚、Socket-370型が1枚の計8枚だ。Socket-370の基板は安物だが新品未開封。ノーマル使用専用の(^^; MSIのSocket-A基板もラップ保存してある。全部組み上げれば8台になるが箱は7箱しかないのでどうしても1枚余る。しかもATの箱とAT基板の枚数は一致しているから過去的なモノに引き連られてしまう。思うに、裸の基板なんて余分に持つものじゃないです。それは食器戸棚にしまった大福餅のようなもので、なんというか、ついつい手を出したくなる。まさしくも私を神経症にする元凶だ。

  最近は、AMD党になっている。K5-133MHzはひどい石だったけど、Duron/Athronはなかなかgoodだと思える。AMDは20年前も今もサンダースがCEOだ。半導体業界で彼ほど社長業を長く務めている人物もいないのではないか。実にタフな人物だと思う。

  20年前といえば、私も半導体業界にいた。当時、私はインテルの代理店で彼らの新製品であった8086のテクニカル・セールスを主な仕事にしていた。そうそう、まだ新人の頃、そのインテルの創業者である、ボブ・ノイスに会ったことがある。細身ですごくきれいな目をしたインテリだった。ポール・ニューマンを彷彿とさせるような印象。インテルは、80年代初頭においてさえ素晴らしく洗練された会社だった。それは半導体製品のみならず、ドキュメント、ブローシャ、セミナー、プレゼンテーション、価格戦略などなど、そのどれにおいても優れていた。あらゆる面でロジカルな端正さがあった。インテルのセールスマンは誰しも肩で風を切るような印象があった。先端を走る疾走感。それを僕はインテルから学んだ。それは心地よいものだ。



  さてさて、今回の組み替えは、散々であった。主機をAthron1.2GHz機に切り替えたことで、箱や基板等々主機で使用していたDuron/MSIマザーをサブ機にすることした。そのため、それまでサブ機として使っていたSlot-1対応のAT機を解体し、そのパーツをローテーションに回すことにした。ところが組み上げ直後から起動直後に画面がフリーズするなど、どうにも調子が悪い。特にCD-ROMが回転し出すとカリコリと変な音がしていた。あとで気がついたのだが、なんとCD-ROMのヘッドが落ちてCD-ROMの板面にあたりCD-ROMを削っていたのだ!! あちゃ!なんということだ! これではレコーダーではなく、カッティングマシーンじゃないか。

  その昔、アナログ・レコード全盛時、ノイマン社のカッティングマシーンで切り出したLPレコードのプレス原盤こそが最高品質といわれていたことがある。ドイツ・グラムフォン社がスタンダードであったのは、まぁ、カラヤンのおかげもあるだろうが、この原盤カッターも貢献していたはずだ。しかし、CD-ROMを削るドライブとはあな恐ろしや。削りカスがCDトレイに落ちていた。うーむ。結局、MSIのドライバーCDなど、3枚のCD-ROMをオシャカにしてしまった。

   それで現状、サブ機はCD-ROMなしで動かしている。で、主機のAthronマシンだけれど、これはマザーをASUSのA7Vに取り替えたのはいいのだが、CD-RWをケースに入れ込むときに、なかなかうまく入らないので、力任せに入れたら、なんと、A7Vのマザーの電池フォルダにCD-RWの外箱が当たっていて、電池ケースをぶち壊してしまった。これにも参った。マイナス側が基板からはずれてプラプラしていた。修理に出そうかどうしようか考えたのだが、結局半田付けで応急処置してどうにか使えるようにした。こういう事故は自己責任で贖わなければならない。ところでめっきり部品屋が少なくなってしまった最近の秋葉原で電池フォルダなんて買えるのだろうか? 仮に買えたとしても、今時の多層基板から電池フォルダの残骸や切れたリード線を外すのはそう簡単なことではない。半田鏝の熱量によっては、プリント基板のパターンを台無しにしてしまうことがある。僕が使っている鏝はトランジスタ時代の20Wだからはっきり言ってヤバイ。10W位の細身の鏝を買えばいいのだろうが、なにせ25年以上使っているので浮気ができない(笑)。同じ頃に糸半田も500gのロールで買ったけど、いまだにほとんど減っていない。その日がくれば息子に遺贈することになるだろう。確か店の親父にも「これだけあれば一生ものでっせ(72年:大阪日本橋)」と言われたような記憶がある。実は真空管時代(67年)の100g半田もまだ残っている。ヤニ入りの太めの半田。2A3とか300Bとかのアンプでも自作しない限りこの太さ(2mm位)の半田なんて使う機会は今後もないだろう。基本的に趣味人ではあるけど、プロのハード屋ではないので、なにしろまともな(電動ポンプ式の)半田吸引機などは持っていない。だからこの修理のために吸引機を買う? それは、チューリップの球根を植えるためにシャベルカーを導入するようなものだ。だとすれば新品の基板を買った方がいいかもしれないし。等々。

   ところで、プリント基板は「プリント基盤」ではないはずだけど、基板を基盤と書いてある例を多く見かける。今のATOK(13)では「基板」が辞書にデフォルトで入っているが、少し前までは自己登録しないと使えない語であった。漢字入力ソフトを提供している会社が文化に与える影響はきわめて大きい。というか、文部科学省とか国語審議会よりジャストシステムの方が日本人の国語力に対してはるかに大きな影響力をもっていると思える。

   こうした事故だけで終わらないのが今回の悲惨。主機にはWindows2000をインストールしたのだが、A7Vの基板上に実装されているATA100対応のpromis製インタフェースにIDE接続で組み上げたHDを差し替えると、HDの中身が壊れて画面が真っ青になるのだ。等々というインストール事故をさんざん繰り返して、5回もWin2Kのインストールを繰り返してしまった。そのおかげで1日以上時間を無駄に費やした。ドライバー周辺でトラブルが発生すると場合によってはセーフモードさえも起動できなくなることがあると初めて知った。Win2000のセーフモードには前回正常起動時の設定に戻すという機能もあるが、これがまともに走らない。うーむ。ATA100側のHDにWin2000はインストールできるのだろうか?仕事にならないので途中放棄。インストールもIDE側なら問題を生じないので、30GBのHDをIDE側に、40GBのHDをATA100側にという配置にしている。本来は簡易ではあっても、RAIDにしたかったのだが、予算不足でHDが足りないまま。今週末に秋葉原に行く予定で、そのときに、CD-ROMや音源基板、さらにHDやメモリを手に入れなければならない。サブ機のメモリはPC-100対応ではないDIMMが2枚刺さっているけれど、それでも100Mで動いている。うーむ、基板が勝手にアクセスウェイトを設定してくれているのだろうか。

   後でDIMMのメモリチップの刻印を見たら3枚ともメーカーは異なるものの -8 (たぶん8nS)となっていた。販売店ではFSB100には対応していないと言われていたのだがスペック・マージンで動いているようだ。最近のメモリは非同期というより同期型のアクセスシーケンス・メソッドだから -8だから同一と言い切るわけにはいかないのだろうけど。

  これまで、CD-ROMのバックアップなんてナンセンスであると思っていたが、実は重要なことなのかもしれないと考えを改めることにした。CD-ROMのヘッドが壊れた場合、CD-ROMを削ってしまうような事故も実際起こるのであるから。特にOSのインストールディスクはバックアップが必須かもしれない。

   



●MSI(2001/4/13)

   最近、MSI社のマザーボードを立て続けに3枚も購入した。メーカー指定で買ったというわけではない。単に安かったからだが、これが大失敗。実に3枚が3枚とも不具合がある。1枚目は Socket-AのMicoroATX型(6340)の基板だ。この基板は、PS-2マウスを接続するとカーソルが突然どこかへ飛んでいってしまうだけでなく、ウィンドウがアトランダムに開いてくれる。つまりマウスボタンも自動で押されてしまうという症状がでる。また、BIOS設定でFSBクロックをカスタマイズできない(正確にはクロックが異様に低下する)。さらにPCIバスに乗っているLAN基板などをWindowsからいじるとシステムリセットが発動されて突然BIOSの起動画面(Reboot)状態になる。などといった致命的な不具合が満載というものだ。2枚目のMSI-6330は同じくSocket-AのノーマルなATX基板だが、起動時に音声で設定不良を知らせるという機能があるのだが、これがまともではなく、電源ONで起動した場合、常にビープ音と早送り状態の音声(しかも英語設定にしても中国語が)聞こえてきたりする。幸いにそれ以外の問題は今のところ見てはいない(4/13時点で。しかし、後日、6340同様のPS2マウスの動作不良とFDDインタフェースが壊死していることを発見した)。電源オンで起動するたびにピーギャーいうパソコンなんて、と思わずにはいられない。3枚目はSiS630ベースのSocket370のオールインワンタイプのMicroATX基板だ。サウンド機能やVGAさらに10/100BaseTのLANコネクタまでオンボードになっているからテンポラリな安物サーバーを組むには最適な基板だと思えたのだが、この基板も初期不良でリセットボタンの部分が壊れていてリセットボタンを押してもリセットを拒絶するのだ。おひおひ(^^;。おかげで、ドライバーのインストールの不具合でハングアップしてもリセットボタンが役立たずなので、再起動させるために何度も電源ケーブルを引き抜くという荒技リセットを強いられた。AT電源なら電源スイッチのON/OFFで強制シャットダウンできるが、ATXは無理。電源ケーブルを引き抜くようなことを続けると、火花を飛ばして生じるサージでシステム全体を壊すことだってあるだろう。これも致命的な不具合だ。

   まったく、3枚購入して3枚ともまともではない。壊れたというより、買った最初から壊れていた。というか、まともな製品を彼らは製造できていない。と思わざるを得ない。彼らのCD-ROMには会社案内のビデオが含まれていたが、そこでは、ISO9000/14000認定だの、基板の不良率が0.4%だのという美辞麗句の解説をさんざん聞かされる。しかし、かれらの不良発見のための検査方法には問題があるに違いない。検査がザルなので、リセットボタンが使えない。などという初歩的な不良基板も検査合格品として販売されてしまう。はっきり言って、かなり頭にきているのです。私。

   3枚の内2枚は現在実際に使用しているので、すぐに修理に出せるわけではない。リセットボタン不良の基板はWindowsNT/Serverを組み込んであるので、リセットボタンを押すような動作は安定後は想定していない。ピーギャー基板はサブ機で、常時的に電源をON/OFFしないし、あまりにうるさいのでスピーカーの接続を基板から外してある。それでも基板上のセラミックブザーがピーギャーいう。少しはおとなしくなったがうるさいことにかわりはない。。

   日本製品の品質はよい。と言えるほど日本製品を知るわけではないが、部品を買い集めて自作したPCで、ノートラブル・一発動作。ということは経験的にはあまりない。96年に3台のPentium/133/166MHz/Win3.1のマシンを組んだことがあるが、1台はEDO-SIMMメモリが不良で(初期不良のメモリなんていうことも実際あるのだ)システム起動中に画面が真っ青になる(特権エラー)ことしばしというものがあった。もう一台はケースの電源が不良で、電源のシールをはがして電源内の半田付け配線がテンプラ不良である部分を見つけて半田し直して新品修理した。もう一台は出たてのATXの箱で組んだのだが、電源が不良で、さすがにこれは直さずに購入店で交換してもらった。その後しばらくして、ATベースのPCを組んだ際のケースには電源スイッチのボタン部分のプラスティックが欠品していた。95の時代に買ったFutureDomainのSCSIボードにはWin95のドライバが無く、しかもFutureDomain社はAdaptec社に買収されてドライバを手に入れることができなかった(Win98以降では基本的サポートパーツになったので救われたが)。その後、そのAT機はPC-Chips社のSlot-1対応のマザーボードに切り替えたが、IDE周りがヘンで、しばしばディスクアクセスが全くできなくなるという不具合があった。おかげで、電源を切ることをほとんどしなかった。その故障原因はおそらく、IDE周辺のICのロジックが何らかの要因があってラッチアップしてしまうところにあるのだろう。CD-ROMドライブが不良なのか、基板が不良なのでドライブがCD-ROMを削ったのかについてはまだ、判断を保留している。対処療法的には、IDEケーブルを全部外してFDだけでBootさせてから再度組み直せば動くものだからそれでしのいできた。これ以上、CD-ROMを「お陀仏様」にするわけにはいかないから、CD-ROMドライブは廃棄と決めた。

   一般的に云って、こういうトラブルに遭遇した場合、ふつうのユーザならお手上げになるに違いない。どんなトラブルでも、部品交換さえできれば対処は確かに行える。もちろん、どの部品が故障の原因であるかを突き止めることにも技術は要る。だがしかし、部品交換しかできないエンジニアは、我々のような第一世代のPCユーザからすれば『チェンジニア』と呼ばれるしょうもない部類に分類される。理想を言えば、アムロ・レイの親父ではないが(笑)、やはり使えるパーツをchipレベルで交換できる技量こそが...(とほほだってば)。

   どんな製品にもある程度の問題があるのは「やむを得ない」という常識も程度の問題だ。いいかげんにせ~よ>MSI。と言いたくなる。性能競争が激しくなるほどに、開発期間の短縮化が進み、設計製造検査に十分な時間をかけている余裕がないのだろう。また、最近の秋葉原は価格競争が厳しく、おそらくいわゆる検査落ち・修理品上がりのB級製品も混ぜ合わせて売られる。ということもあるだろう。いずれにせよ、台湾・中国の製品しか買えない。という状況は異常である。日本のメーカー製であっても作っているのは彼らである場合がほとんどだ。CD-ROMの異常が二次的被害を生じせしめるように、どんな場合でも不良品をつかむと手間が倍以上かかって結局高い買い物になる。だから完成品、あるいはメーカー製品を買うと言うことには確かに意味がある。

   我が家にあるPCでメーカー製品であるのはDELLのPowerEdge1300だけだ。立派な箱に収められて届けられたものだが、これも最初から動かなかった。箱を持ち上げて振るとカタカタ音がした。蓋を開けてみると、なんとSCSIハードディスクのケーブル・コネクタが外れていた。ただし、DELLが立派なのは夜の10時過ぎでも電話サポートが受けられたことだ。それに対応も丁寧であったし、蓋を閉めて起動するとエラー表示がでるからといって、その(開蓋)エラーの解除方法まで教えてくれたものだった。さすがのDELLであるが、残念なことに、彼らの製品にはいまいち魅力を感じない。僕自身はハイエンドとローエンドのどちらかしか求めていないのが原因だ。ローエンドは古い部品の使い回しをベースに2万円以下でそこそこの機種を得ること。ハイエンドとはGHz以上のCPUベースを数万で組み上げること。貧乏性といえばそれまでかもしれない。

   ちなみに、先週作ったPC機はだいたい次のような構成。

   ・箱(2980) ・基板(6999) ・CPU/Celeron700MHz(使い回し)
 ・CD-ROM(2980) ・FD(使い回し) ・memory(使い回しのDIMM 64MB)
 ・LANCARD(1000) ・HD(使い回しの15GB) ・キーボード+SP(1000)
 ・Mouse/USB (480)

 手持ちに部品があるので、おおよそ15000円で1台追加できたことになる。全部を新品で揃えたとしても4万円にはならない。本来はLANカードはマザーボード上にあって不要であるはずなのだが、NT4/Serverだとドライバが適当なものがなく(あったもののうまく動かなかった)結局安物のカードをPCIバス上に取り付けた。これでとりあえず700MHzのCeleronのNTのドメインコントローラーを構成できたことになる。ただし、リセット不能(笑)。

   二度とMSIのボードは使わない。とした場合、どこの基板がよいのだろう? ASUS ? GIGABYTE? AOpen? 。どれも似たり寄ったりではないのか。DELLとか富士通のPCを買う?

   それもたぶん無いと思う。というのも、僕は手作りが好きなのだ。いやぁ、本当に好きなのだ。これは子供の頃にゲルマニウムラジオを作って以来の性分だ。だから、トラブル・ウエルカム? そんなことはない。それは願い下げだ。特にハードウェアのトラブルは。

 実は代替え基板を買ってから、例の3枚を全部修理に出そうかと考えている。MSIの製品には1年保証があるし、買った店は例の1年保証の店(九十九)だから。保証が切れるまでにはまだ半年以上ある。





●MSI -2- (2001/5/13)

   結局、れいのお粗末MSI社の基板は三枚とも修理に出した。先週はじめに販売店まで持って行った。修理受付の担当も、さすがに三箱目を手提げ袋から出した時には驚いていた。それはそうだろう。6189(Socket370)はリセットボタンを押してもリセットが効かないという初期不良。6330はPS2マウスの熱暴走だけでなく、FDDのインタフェースが壊死していた。おそらくこれが原因して組み上げ初期から音声(+Beep)のエラー警告が出放しだったのだろう。全くひどい話だ。今時フロッピーなど使う局面はほとんど無いから故障しているかどうかが判るのは3ヶ月後だなんていうこともありえる。結局、新品で買った2箱のどちらも初期不良でアウトだったのだ。昨年秋に購入した6340はFSBのクロックアップ設定に異常があること、あと6330同様、PS2マウスが熱暴走すること。さらにPCIバスに挿入した基板の動作に異常があることなど。

   修理上がりは今月末になる予定。本当に直って返ってくるのだろうか? もちろん基板交換で対応ということになるだろう。ただし、戻ってきてからチェックしてもたぶん似たようなトラブルで再修理依頼になるだろうという予感がある。要は品質管理に対する厳しさを欠いている企業は同じ過ちを何度でも繰り返すだろう。ということだ。それとも、秋葉原という市場は不良品も普通に売れて、しかもノークレームで済ませられるありがたい市場なのであろうか? とすれば、沈黙する日本のユーザはアホ以外の何者でもない。某オークションではこの種のクレーム品が「わけあり品」として横行しているから注意が必要だ。泣き寝入り品の処分市場として機能している。民事訴訟のハードルの低い米国なら億単位の訴訟だっておきかねないというのに。

   正常な商品ならそんなコストは発生するはずもない。しかし、トラブルがいったん発生すると、その処理には不測のコストがかかる。当然ながらそのコストは、作る側、売る側、使う側、三者が三様に支払いを強制される。ただし、このコストは、使う側がクレームを表明した場合にだけ発生する。不思議なことだが、コスト発生は、すべてはユーザの双肩にかかっているのだ(^^;  

   初期不良品は悪質きわまりないと思う。というのも、メーカーがきちんとした品質管理を行っていれば初期不良品が市場に出るはずもないからだ。どんな場合でも、初期不良品をつかんだユーザは苦労を強いられる。新品交換となる場合であっても、1度はテストし、クレームを言い、販売店に持ち込みに行かなければならない。

 どんな場合でも、クレームを申し立てることはユーザにとって面倒なことである。秋葉原へ再度出向かなければならない。というのでは、交通費のみならず、往復に要する時間が無駄になる。ユーザは自身の時給でその手間に要するコストを計算すれば、どのようなケースでも割に合わないことがわかるだろう。それはメーカーや販売店でも同じことだ。彼らがもしユーザクレームに対して余分なコストを支払いたくないと考えているなら、ユーザクレームを受けない、受け難いという手法でそれを回避することもあるだろう。実際そういうニュアンスでユーザのクレームに対して受付のハードルを高くしている企業はいくつもある。

   思うに、申し立てが面倒だからといって、泣き寝入りするのは馬鹿げている。種を蒔いた者は刈り取らなければならないのだ。それ故に、泣き寝入りしないための基本的な注意事項を以下にあげておこう。

 1.領収書は捨てるな。
 2.保証書も捨てるな。
 3.保証期間の短い店で買うな。

   領収書や保証書を欠いていると、正当な権利としての修理保証を受けられなくなる。と考えた方がよい。海外のメーカーは直接修理依頼を受けない。と言明している会社がある。MSIもそうした会社の一つだ。販売店経由でしか修理を受けない。とした場合、販売店に故障品をねじ込む場合は、領収書あるいは、販売店名の入った保証書が必須だといっていい。あと、保証期間の短い店で買ってはいけない。購入後2週間とか十日とかいう店は本当はさけた方がいいのだ。というのも、仮に初期不良であることが発見されたからと云って、すぐにいつでもクレームを云いに販売店に行けるわけではないであろうから。それに、どんな部品も購入後すぐ動作テストを十分行えるわけでもないであろうから。

   もちろん、どんな部品についてこれが妥当するわけではない。経験的にいえば、SIMM/DIMMのようなメモリ製品が初期不良以外で故障したことはないので、ハズレを引かなければまず保証期間は全うできると考えている。ハードディスクとマザーボードは販売店を選ぶべきだ。FDやCD-ROM(DVD/CDRなど)、ビデオカードもそれに準じる。怖いのは、CD-ROMとHDと電源(ケース)だ。外れないことを祈るほか無い。(^^;  



●ケーブル (2001/5/23)

 収納という観点から一番困るのは、なんといっても、ケーブル類だ。私の部屋にはざっと数えて30台程度のパソコン類があるので(といっても大半は棚に積み上げてある)、ケーブル類はその何倍もの本数になる。ケーブル類の収納はずいぶん前から頭を悩ませている。最初の頃は大きな袋に放り込んでいただけなのだが、必要になってケーブルを探し出すと、そのたびに「知恵の輪」解析をやるハメに陥るので、ある時から、キャスター付きの5段の衣装ケース(引き出し透明)を買い込んで、その引き出しに、1本ずつ"Ziploc"という圧着チャック付きの食品冷凍保存用のビニール袋に入れて保存するようにしている。現時点では10引き出し分の分量になっている。

   この保存方法が良いかどうかはわからない。というのも、ケーブル形状で整理すると、結局必要なケーブルを探し出すのに時間がかかるからだ。機種対応ごとにまとめた方が実用的な気もするが、シリアルケーブルが各引き出しにバラバラ散在しているというのも気分が悪い。もちろん、ただ単にまとめて放り込んでおく。というぞんざいなやり方よりは幾分マシではあるのだが。こうした整理で埃とかケーブル同士の知恵の輪化からは解放されたけれど、コネクタの金属部分の腐食とか静電気の問題、ケーブルの「輪状記憶」とかがそれで解決されるとは思えない。本来は某研究開発部の備品置き場のように、吊るしネクタイのような形状で線材をスッキリ伸ばした状態で吊しておくのがエレガントなのかもしれない。ただスペース的にそんな余裕がないし、埃の問題もある。うーむ。

   実際、どれくらいの種類のケーブルがあるのか自分でも数えたことがないから知らない。少なくても100種類以上ある。一番やっかいなのは、SCSIのケーブルだ。まず、コネクタの形状が6種類(以上)ある。50Pinのアンフェノール(大型・小型)、D-Sub(50pin/25Pin)、櫛形のアンフェノール(最近のPCAT機系)、PowerBook系の箱形。でもって、その6種類の順列組み合わせの数だけ派生種のケーブル類も多岐になる。

   収納という観点から厄介なのは、AC電源アダプタの類で、特にAtariとかCommodore社の製品のAC電源アダプタは重いし、トランス系ボックスの両端に1~2mのケーブルが出ていたりして面倒この上ない。2,980円の衣装ケースはACアダプタ類の重みで歪んでしまっている。

   今時のUSBは、ケーブルという観点からいえば、goodな選択だと思う。でもどうせなら、100BaseTとかと融合してほしい(難しいだろうが)と願っている。IEEE-1394(?)、AppleでいうFireWireもUSB同様将来性があるだろう。機器同士の接続が1本のケーブルのディジーチェインで事済むようになれば部屋もスッキリする。無線系は当面使うことを考えていない。守秘性に問題を感じているし高周波をビンビン飛ばすのはペースメーカー問題を念頭におけば可能な限り避けたいと思っている。

   ただしかしながら「コネクタ形状」で個性を競うような古いパソコン類をたくさん抱えていると、USBもIEEE-1394も新手のケーブルひとつでしかない。CommodoreやAtariの8bit機にはどう頑張ってもUSB機器は繋がらない。Amigaの23PinのD-SubとかAtariSTの13PinのDINだとかいう特殊コネクタは将来的には入手困難なアイテムになるだろうから、捨てるわけにもいかないのだ。真空パック保存的なパッキング機材が低廉になればそれはそれで結構マーケットがあると思うのだけどなぁ。

   いつの日か、ケーブル類には番号をつけてデータベース管理しないといけないと感じている。うーむ、そんな必要はないかどうか。ボケがこない間であれば、どのケーブルが何の何用であるか私には分かり続けるだろうが、私の後では、たぶん、残されるであろう家人がそれを識別することは今後将来的にもないのかもしれない。家庭内ジャングルでもあるケーブルの森も、世代が変われば「粗大ゴミ」で一括廃棄になってしまうだろう。  



●ADSL (2001/6/5)

 今週の月曜(6/4)にADSLが我が家でも開通した。フレッツADSLを申し込んだのが3/20で、川崎地区の申し込み開始日であったから、先順の待ち行列なしにも関わらず2ヶ月半も待たされたことになる。ADSLに切り替えるまでの間、フレッツISDNを利用していた。これは昨年の8月からだったと思う。ISDN用のルータを購入し複数台のPCで共用利用していた。だからISDNルーターを使用した期間は1年に満たない。買い取り価格で3万円以上したはずだから、月当たりのルーター使用料は3000円を超える計算だ。結果としてひどく高価な買い物だったことになる。ADSLモデムの使用料は月500円。光ファイバーベースのサービスが始まれば当然乗り換える予定だから、ADSLも一時しのぎ的な利用になるだろう。この理由で今回のADSLモデムは賃貸にした。最近の秋葉原では、入手難とはいえADSLモデムも店頭販売されている。23000円前後。もし3年も4年もADSLを使うなら意味があるだろうが、そうはならないだろう。結果として賃貸形式の方が安上がりになるはずだ。

   しかし、開通日直前に宅配されたADSLモデム(10BaseTタイプ)にはいわゆる取扱説明書の類がほとんど添付されていない。添付されてきた資料といえば、ハードウェアの外形仕様書と接続用のドライバー・ソフトウェアの入ったCD-ROM。それにその操作説明書だけだ。ISDNのときには、ルータの設定について詳細な説明書があったので問題はなかった。ところが今回はいろいろと問題が生じた。私のHome-LANの構成は、Win機がとりあえず2台にローカルなテストサーバーのLinux機が1台。さらにWindowsNTのドメイン・コントローラーが1台の計4台が基本で、これに臨時的な接続としてWindowsやMacintosh (PowerBook)が利用できるようにしてある。こういう異機種マルチ構成なので、インターネットへのゲートは固定IP(静的IP)設定の方が無難なのだ。ところが、フレッツADSLはPPPoEとかいうPPPの変種プロトコルで制御するモデム・ルーターなので、PPPoEのドライバーあるいは、仮想デバイスなしで直接接続できない。だからHUB経由であっても直接接続するPCには全機種ドライバーを別途インストールしなくてはならない。これでは面倒だし当面の間ISDNルータとの併用も考えているので、DHCP接続ではかえって都合が悪い。DHCP接続の場合、接続側PCのIPはDHCPで決定される。ここに問題が生じる。つまり、DHCPなIPポートからではローカルなサーバー(例えば192.168.2.234といったIPを割り当てたLinuxサーバー)への参照ができないのだ。また、同一ライン上に複数のDHCPのホスト機能を持つISDN/ADSLルーターを設置するのは理にかなわない。もちろん、DNSをきちんと立てた環境にするという手段もあるかもしれない。しかし手抜き環境なのでDNSはたてていない。Windowsのネットワーク環境はそれはそれで動いているし、AppleTalkの疑似環境も走っている。つまり非WindowsなLinux機やMacintoshとかのやりとりをローカルで行う場合では、静的IPの方が事が単純で悩むことがないのだ。

   当初DHCP接続すると、上述したとおりローカルなIP設定環境が見えないという不都合が生じた。このため、Windows98MEにさらにLANカードを1枚挿入して2LANカード環境にし、片方をローカル接続用に、片方をADSLモデム接続用にした。Windows98MEでいうホームネットワークとインターネットの共用接続。という機能を利用することにした。つまり、片方のLANは静的IP(192.168.x.1)で固定的に用い、もう1枚のLANカードはDHCPで接続毎にIPが割り振られるようにしたのだ。これで、少なくともWin98ME側では、ローカルな接続もきちんとできるようになったし、インターネット接続もきちんとうまくいく。また、Windows2000側からはその共用アクセスを利用するので、静的IP(192.168.x.1)をゲートウェイ設定するだけで接続できるようになった。つまり、Windows2000やMacintosh側からすれば、Windows98ME機が単なる静的IPルーターのように見えるのだ。ここでは、Windows2000やMacにPPPoE対応のドライバーをインストールする必要がない。現時点では、ADSLモデムもローカルネットワークも単一のHUBに全部乗せているが、ADSLの接続を別のHUBに切り離すことを予定している(これは単純に結線変更だけの仕事)。そうすれば、ADSLモデムとHome-LANとの物理的距離が一段増すのでセキュリティ・レベルも1段増すだろう。(といっても気休め程度でしかない。でも、セキュリティ問題で一番必要なのはこの気休めなのだ。実は。)、接続設定のプロパティの中にIP指定項目があるから、IP指定もできるような雰囲気がある。ただし実際に確かめていないので、かもしれないという認識しか残念ながら今のところ持ち合わせていない。

   残る問題があるとすれば、Win98MEのホームネットワーク機能のセキュリティの強度だ。インターネットで接続された外世界とローカルなPCの内世界とは現在、Win98ME機をかならず経由するようになっているので、ある種、簡易なファイアーウォール的な感じであることは確かだし(といっても現状はなにもフィルタリングしていない。シマンテックやメガドレンドの簡易なセキュリティソフトでお茶を濁す予定)、NAT的な機能も果たしている。ただ、Windowsそのものは常にセキュリティーホールが云々されるので注意が必要だと思える。本当のところを言えば、LinuxベースのProxyサーバーを立てた方が良いという考えは以前からあるのだが、まだ実現させていない。逡巡している内にISDNの時代が終わってしまった。このままウダウダしている内にADSLの時代も終わってしまうだろう。

   いやはや、今頃になって気がついたのだが、WindowsのHome-LAN機能を使えば、なにもルーターなんて買う必要はなかったのだ。TAで十分、モデムでさえ用をなしたはずだ。この機能はWin95には無かったと思うが、98にはあったのではないか。うーむ。フレッツISDNがサポートされたときにはWin98MEは出荷されていたと思う。僕自身が必要としていた機能は複数PCで1本のプロバイダ接続を共有することだけなのだからこの程度の機能で十分であったのだ。ちなみにNTサーバーにしても、Linux/SAMBAサーバーにしても、特定のローカルIP以外のPCを遮断できるからセキュリティ的にはそれほどヤワではない。それでも不安があるというなら、このモデムを接続すべきトポロジカルな意味での2ndイーサポートにProxyサーバーを多段串刺しすべく挿入接続すればよいだろう。

   それと、解説書を読む限りの耳学問でいえば、Linuxにはマルチソースの制御機能があるということだ。つまりRAIDで例えればストライピングのようなもの、またISDNで128KBPSを実現する方法と同じで2回線以上のインターネット接続を束ねてあたかも1本でつなげているような実効速度を得るという接続手法だ。TCP/IPがパケット・プロトコルだからこれが可能なのだ。この機能を応用できれば、ADSLでいえばアナログの電話回線を複数用意すれば用意した回線分だけ増速できることになる。もちろん、光ファイバーのサービスが始まればそれに勝ることは容易ではないが、まさに光ファイバーの時代においてなお、速度を追求するのであれば、この手法はまさに光の時代にこそ意味があるかもしれない。もちろん、単なるサーフライダーやFTP猿になるだけならそれほど意味は無いだろうがが、しかし、1対複数の接続(例えばロボット検索)のような場合に回線速度がボトルネックになるなら、この考え方はブレークスルーになるのではないか。

   ADSLの使用感を言えば、とにもかくにも速い。ただし、夜間の就寝時刻までは例によって回線がビジーになりがちで接続さえもままならぬ時がある。もちろんこの種の事態はプロバイダにもよるだろう。ある意味で、こういう問題は時が解決するのかもしれない。『翻訳のための』のアクセスでさえ、ローカルなサーバー上のテスト環境(100Base接続)とほとんど遜色ないレスポンスが確保できている。カテゴリ・ページもほとんど瞬時に開くから驚きだ。ISDNの場合だと数秒から10秒程度の時間が必要だった。この点では、現状のサーバーの能力を再発見することにもなった。ADSLを利用する限り世のWWWホームページのアクセスは苦痛不要になるだろう。ある意味でWWWアクセスのための先読みキャッシュのような仕組みさえも不要になるだろう。不要どころか、逆に先読み動作が駆動して本来の読み込みが阻害されるといった有害な側面さえ生じるのではないかとも思える。

   もはや、ISDNはインターネットという利用法に限って言えば時代遅れになってしまったと断言できる。もちろん、1本の電話線で2回線分の利用ができるといった電話利用本来のメリットは失われないにしても。現時点でISDN/フレッツISDNはまだ解約していないが、しばらくしたら解約することになるだろう。そして、不要なISDNルーターが残ることになる。





●RedHat 7.1 (2001/6/12)

  先月修理に出したMSIのマザーボードは全て戻ってきた。いずれも「何らの異常なし」のお墨付き(修理したというのではなくて異常を見出せなかったという意味)。リセット不良の基板は同じ箱のリセットスイッチでリセットできる。6330は相変わらず電源投入後にビープと超早口の中国語攻撃モードに突入する。FDのアクセスはできるようになっていたが、PS2マウスの異常は症状がでるまでの長時間テストを省略したようだ。6340は、台湾工場への送り返しで1週間遅れて戻ってきたが、これも異常なしのお墨付き。うーむ。あのFSBクロック異常は何であったのだろう? マウスの異常も同様。結局、全てが薮入りになってしまった。異常なしというのだから、再度突返しても結果は同じだろう。それに、ノーマル使用で致命的な支障はとりあえず無くなっている。まるで修理はしたのだが「異常なし」と言われた様で後味の悪さが残る。統計上の故障率を上げないためとか、販売店への気兼ねとか。しかし、小事にこだわることはいかなる意味においても得策でないからもうよしとすることに。販売店では「まだ保障期間は残ってますから」といわれて一理あると思った。PC133対応のSocket-A基板の寿命など所詮もう長くはないのだから、この辺で使っておかないと元が取れなくなる。

   先週は、Windows98ME機にイーサカードを2枚挿して簡易PPPoEルーターを構築したが、マザボが戻ってきたのでCeleron850MHzとDuron900MHz (リテール)を追加購入してRedHat Linuxの6.2と7.1とでテストサーバーを2台作り上げた。RH6.2は現在DellのPowerEdge1300のOSで使用しているものだから、まったく問題なくすんなりと動いた。ただし、MSIの基板内蔵の10/100BaseTのインタフェースはドライバーが無くて6.2では対応できず。7.1なら追加ドライバーがあるかもしれないが試していない。メモリは256MB。HDは40GB。電源は250W

   もう一台は、150Wの電源を内蔵した小型の箱を新たに買ってきて(しかし、この箱にはリセットLEDという摩訶不思議なコネクタがあるもののリセットボタンは無い。電源ボタンを長い間押すと電源が切れるような感じがするのだが詳細不明)、6340/Duron900MHzで構築したもの。メモリは192MB。HDは16GB。このマシンを作っている最中に長い間使っていないなかった24倍速のCD-ROMドライブが致死状態であることが判明。RH7.1のメディアのBootができたりできなかったりで、できてもインストール途中でリードエラー続出状態。予備品として買い置きしておいた32倍速の新品ドライブ(ミツミ)に交換。快調。最近では、値段が少し高くてもCD-ROM系は国産に切り替えることにした。というのも、これまでCD-ROMは3台壊れているが全て台湾製(8,24,52倍速)だったからだ。我が家ではCD-ROMドライブの故障率が異常に高い。うーむ。

   RedHat Linux 7.1 はこれまでの版と大きく異なるので苦労した。まず、雑誌のオマケとはいえCD-ROM2枚組みで、「全部いり」にすると2.6GB程度の容量になる。それと、インストール時の選択が4択になり、ワークステーションを選択するとhttpサーバーなど、サーバー系のアプリケーションが組み込み除外になってしまうこと。さらに、サーバーを選択してインストールしても肝心のサーバーがリブート一発では起動しないこと等など。

   テストサーバーなので、とりあえず、ApacheとtelnetとSambaが起動してくれればよいのだが、そのいずれもノーケアなインストールでは動かない。これらサーバー・デーモン類を動かすには、インストールメニューで選択可能な「ファイアーウォール設定」で動かすべきサーバーデーモンにチェックを入れること。もちろん、X-Windowsベースのtool等で同様の設定は可能だ。インストールは全自動だが、起動は全てユーザ設定に任せるという点でこれまでの考えかたが大きく変更されたということだ。ところが、チェックマークを付けてインストールしても自動起動の設定はなされないので、

   chkconfig --level 35 httpd on

   といった設定で、rc3.d (テキストモード時の起動スクリプトディレクトリ)とrc5.d (X-Windowベースの起動スクリプトディレクトリ)に含まれる設定スクリプトを書き換えてやる必要がある。上記コマンド例の35は、このrun-levelの設定値を意味している。 

   こうした設定で dhcp, telnet, httpd, ftp, ssh, dns 等を自動起動設定できる。ちなみに、X-windowまでインストールすると起動時にX-windowsベース(run-level=5)に設定されるのでマウス操作が面倒な私のようなモノグサは /etc/inittab でrun-levelを3に設定すればいいだろう。ちなみに、sshdはセキュリティを強化したSSLベースのtelnetだが、rootログインが可能だ。telnetではユーザログインのみで、su変身しなければならない。

   もうひとつ、RH6.2と大きく異なるのがSamba/SWATだ。SAMBAの設定それ自体はさほど変わっていない。だからSWATが動けば従来の設定をgrobal/local共々コピー利用できる。ところが、SAMBAの設定ツールであるSWATがうまく動かない。6.2では http://host:901/でルートパスワードを求める画面がすぐ現れたが、そのページが行方知れずになってしまう。

   要は 7.1では6.2までの設定ファイル /etc/inetd.conf が廃棄され、 /etc/xinetd.conf と /etc/xinetd.d というディレクトリに個々のデーモン毎に設定ファイルが用意されるという変更がなされたのだ。この変更はRH7.0以降のことだから、6.0までのRedHat Linuxの解説本のほとんどが役立たずの古本になってしまった。ちなみに、 /etc/xinted.d/swat の修正は思いのほか簡単だ。"disable = yes "を "disable = no"に変更すれば少なくともローカルのWWWブラウザではSWAT 設定画面を表示できるだろう。リモートで設定する場合はさらに only_from というパラメータにリモート・コンソールのIPを設定する(デフォルトは127.0.0.1)。そうすれば、排他的なSWAT制御ができるようになる。さらにこの設定ファイルを変更すれば接続ポートの番号さえ変えれる。この点で、RH7.1は従来のRedHatの諸版に比較すれば相当複雑だがむしろ設定の柔軟度は大いに上がったのではないか。と思われる。ADSLモデムを設定するtool類も用意されている。ただしそれは今回使用していない。すでにWindowsMEを利用してNATルーターもどきが動いているからだ。実際インストール画面で設定すべき eth0 のIP画面で192.168.x.1とプロバイダのDNSのIPを設定するとインストール終了直後からNetscsapeがきちんと使えている。

   現状、PPPoEモデムはWindowsME機とだけ直結している。他のwin2K機やLinux機の環境とHubを全く別にすることで切り離した。WindowsME機がハックされない限りLinux機などへ害が及ぶことは無いだろうと思われる。

 



●Black&White (2001/6/13)

 そうそう、先日、今時まれな怒涛の9連荘(笑)のおかげもあって、OfficeXPを入手することができた。特別upgrade版。他にプレクスターの16倍速CD-Rとピーター・モリニューのプロデュース作のゲーム Black&White。ピーター・モリニューといえば、大昔、BullFrogという英国のソフト会社で「ポピュラス」を大ヒットさせたデザイナーだ。何を隠そう、私もあのポピュラスには大いにはまった口で、89年頃はAtariST版をそれこそ何夜も徹夜して遊んでいたことがある。ポピュラスには続編の2と、趣を異にするPowerMonger、さらに別売りMap などが出された。機種移植も相当あった。しかし、複雑になっただけ面白さではイマイチだったと思う。僕が持っているのはAtariST版とAmiga版。Populas2はMac版をCD-ROM10枚セットの一枚として「シンジケート」と一緒に入手したけど、持ち腐れたままになっている。

   今回のBlack&Whiteも彼独特の「神の視点」ゲームだ。ウィトゲンシュタインは主著である論理哲学論考で「神は世界には顕われない」と書いたが、ゲーマーの住む世界とゲームの世界とが完全に異なる世界であるという意味で、「仮現世界」としてのゲームの世界にはゲーマーは現れない。ポピュラスが興味深かったのは、あのゲームが「形而上学あるいは形而上世界」とは何であるか。さらに、倫理(善と悪)とは何であるのか。ということをほとよく客観視させたからだ。形而上的な事柄について限っていえば、ピーター・モリニューの作品は他の多くの哲学者の著作や文学作品(例:、埴谷雄高の『死霊』など)に優れるとも劣らないと思う。なぜなら、それは時間的な文脈を提示できるインタラクティブな作品だから。哲学的著作や文学作品では所詮読み手が解釈するかもしれないという可能性しか作り出しえない。ゲームの世界であれば、虐殺もまた許されえる。というか、咎められない。実はゲームであっても許されえないことはしてはならないのだと思えるから、もし、虐殺なしにゲームを完遂できないのであれば、そもそもそんなゲームは放り出すべきなのだ。というのが、いまさらさしてWizardryなどに興味を欠いた私の感覚。RPGやゲームの多くは暴力的である。もちろん、仮想的とはいえ、暴力を頭ごなしに悪だと決め付けはしないが(まさに毒は毒として味わうべきである)、さして興味を持たないということで遠ざけている。そういう意味で、このBlack&Whiteは評価しえるかもしれない。(まだプレイしたわけでないから確言できないが)    ちなみに、近所の中古ゲーム屋でSegaSaturnを3980円。中古ゲームも80円程度の傷版含めて15枚位。そもそも秋葉原のジャンク屋で1枚100円のバーチャファイター2のCD等を買ってきたのがなにをいまさらの始まりだけれど。すっかり子供に取られて、「Tower」専用機になっている。DreamCastも9800円程度で売られている。ゲーム機はハードじゃなくて結局はソフトだ。そういえばゲームの中古販売の差し止め民事訴訟でゲームメーカー側が敗訴しかかっている。古本や古ビデオなどが公然と売られていて、なぜゲームだけが。と思うところがある。現時点で日本のゲームソフト会社は世界的に見ても最強のスタッフだと思える。

   ゲーム産業はそれ自体は経済の上部構造で、生産財などにかかわる業種業界の生産の余剰的消費で成立する市場。まぁ三次産業全体がそうだともいるけれど、なんというか、ゲームの「仮現」的なところとは、もう、これからは敵対していかなきゃだめだと思うところがある。10年以上前に英国へ旅行したとき、世話になった中国(台湾)系英国人のボブの一言が今も耳に残っている。「皆遊べ、遊んでいる間に俺たちは仕事をする」と。

   ゲームの中の善悪とゲームで遊ぶことの善悪。いまどきの小中学生にその区別を悟らせるのは難しい。古本屋で名著を探すことが意外と難しいように(つまり手放す人が少ないから)、クソゲーもまた中古販売から一律保護されるなんて...。いい仕事をすれば、だれもがそれに対価を支払うだろうに。と思う。そもそも、いい仕事をしているなら、ゲームで遊んでいる暇などはありえないはずだ。

 



●IPルーター (2001/6/18)

   先日、うまく動いていたと思っていた、Win98MEのインターネット共有機能に問題があることがわかって、急遽、PPPoE対応のIPルーターを購入した。おおよそ9割程度のWEBサイトは問題なくアクセスできるのだが、nikkei.co.jp などいくつかのwebサイトが全くアクセスできない。Win98SE/MEのインターネット共有はルーティング管理が機能不足だという指摘がいくつかのwebサイトの記事にあったが、いわば、特定のIPアドレスがマスク外れでアクセスできないという感じの不具合なのだ。接続元のWin98ME機ではnikkei.co.jpもきちんとアクセスできるのだが、98ME機を静的IPのゲートウェイとしてインターネットアクセスするWin2000機などでこの不具合が生じる。このWin98MEのマスターディスクは例のCD-ROMカッティング事故で溝を掘ってしまったCDなのでインストール時にデータ化け等のなんらかの不具合が生じているのかもしれない。実際、NVIDIAのgeForce MX2のビデオカードの画面割り設定も1024*768が使用できなくて、640*480, 800*600, 1280*1024の三種しか利用できなくなるという不具合も別途ある。Windows2000ではそういう問題は生じないので、あのWin98MEのCD-ROMが問題をクローニングするようなのだ。

   それと、あるFTPサイトをReGetを用いてダウンロードした際に、ルーター利用していたWin98機のDiskがアクセスしっ放しだったことも問題があるように思われた。つまり、インターネット共有している場合、ゲートウェイの役割を担ったWin98ME機は外部からのデータを受信時にHDにバッファリングする。ということなのだ。このようなバックグラウンドなキャッシング処理をWin98MEのようなOSに担わせるのは問題が大きい。つまりWin95/98は完全なマルチタスクOSではないのだから。ということで、ゲートウェイ機能はLinux機か専用のルーターに担わせたほうが安全だ。という結論に達した。Linuxも考えたのだが、PCをそれ専用で1台用意するのは設置場所的に困難であるし、所詮IP/NATルーターの機能しか要求しないのであるから、HDを24時間回しっぱなしにするほどのタスクでもない。ということで消費電力とか設置場所とかを考慮すれば、PPPoE対応のIPルーターを導入するのが一番だという結論。それで、今日、新宿西口のヨドバシカメラへ出かけて、メルコのIPルーターを買ってきた。15,800円。ポイントカードで10%Off。

   店頭にならんでいるIPルーターは数多い。フレッツADSLの場合、ADSLモデムはNTTがお仕着せ的に売りつけている状態なので、ADSLモデム機能を除外したIPルーターという市場が成立している。CATVモデムもまたこの種のルーターを利用することで、複数の静的IP設定されたPC環境で利用することができる。メルコのIPルーターは安価であり、設定が日本語であることがよいと思われた。英語であっても困りはしないが、トラブルにはまった場合、やはり設定ツールなどが日本語であったほうが泥沼から抜け出す手間を最小限にできるだろうと思われた。ただ、なんというか、例えばNTT-MEのISDNルーターの設定画面に比較して言えば、お世辞にもエレガントではなく、設定ボタンの配置などがごちゃごちゃしていて明快さを欠いている。オンラインヘルプも言葉足らずな印象。WAN側とのPPPoEのセッションがなかなかうまく動かなくてちょっとてこずった。それでも、どうにか設定できて快調に動き出している。パケット・フィルターの問題をとりあえず度外視すれば、これ以上設定をいじることはないだろう。

   最近は、ソフトウェアを結構頻繁に買ったりするので、ヨドバシカメラにはよく行く。パッケージソフトに限って言えば、東京を見回しても扱っている店はずいぶんと少ない。秋葉原だとラオックスとT-Zone以外でまともな店をあまり知らない。こういう状態だから、メッツやカテナがパッケージソフトの販売から手を引いたりするのだ。ううむ。もちろん、これは鶏と卵の関係でもあるだろう。MS-Officeのようなキラー系がシェアを独占していることが片方にある。メーカー製PCには使い切れないくらいのソフトがバンドルされているということもあるだろう。PCにアプリケーションがバンドルされ始めてから、パッケージ・ソフトの市場が「死に体」になってしまったように思う。

   インターネットが一般的になって、さらに常時接続が一般的になってきた昨今、PC-Clineならぬウィルスバスターのような「オンライン・アップデート」サービスが主流になりつつある。これはこれで大きな問題があると思われるのだがどうだろう。つまり、ウィルスバスターやシマンテックのアンチウィルスもそうだが、はっきり言って、オンライン・アップデート・サービスとは「トロイの木馬」型アプリケーションの別名だ。Windowsの場合、レジストリを読み出せば、ユーザがどのようなアプリケーションをインストールしているかはすぐわかる。しかし、そうした調査を行う手段がこれまでは存在しなかった。ところが、常時接続ともなれば、バックグラウンドでいつでもそうした個別的マシン情報を送出するのはちょっとした悪意と技術があれば簡単に行いえる。だから、インターネットを利用した付加的サービスを行うソフトについて、その作者の悪意の所在について懐疑的にならざるを得ない。彼らは「本当に」明記した目的(例えばソフトやデータのアップデートのみ)に限定したネット利用に踏みとどまっているのだろうかと。

   端的にいえば、今度のMS-Office XPはオンライン(オフラインでも可能だが)認証を得なければどこかのシェアウェア並に、一定使用回数以上の利用が制限される。MS-Office XPのヘルプにはハードウェアが「大幅に異なる」場合、再認証が必要になるという。という意味でのインターネットを用いたコピープロテクトがこれから幅を利かせるのであろう。Office2000までは、ある意味でインストール回数に制限はなかった。MS-Office XPでも厳格な制限はないが、しかし今後、コピー利用はかなり辛くなるだろうことは容易に予測しえる。今秋に予定されているWindows-XPもそうなるのだろうか? わりと厳格に1台1OSを要求されるようになるかもしれない。税務署よりはるかに厳格な集金システムをインターネットが推進していくのであろうか?

   かの豊臣秀吉が戦国乱世を平定して最初に行ったのが太閤検地と刀狩りだ。中央集権の確立によって情報収集の一元化を可能にし、それによって初めて検地と地侍の武装解除が可能になった。インターネットは太閤検地のアナロジーとして、ユーザ認証と違法コピーの所在確認を容易にするであろう。こう考えると、コンピュータ・ウィルス以上に、ソフトメーカーは恐ろしい封建君主のような存在に見える。もちろん、正規ユーザであり続ける限りなんら問題は生じない。それはあたかも、年貢を納める農民は何等の咎を受けないということ同様なのである。かくして、農民たるユーザは年に1回、アップデート・サービス更新費用を払い続けることになる。の?



●一休み (2001/6/29)

  PCの自作も、このところ一段落してしまい一休み状態。なんだかとてもつまらない。最後にupgradeしたのは主機のCD/RWで、Plextorの16倍速のIDEタイプ。プレクスターという会社は長野だったか、とにかく国産。国産だから信頼できるというのでは根拠薄弱だけれど、これまで輸入CD-ROMドライブでは痛い目に遭ってきたので、今後ともCD-ROM(光学)系のドライブは国産限定とするつもり。

  そういえば、昨日だったか、Bフレッツのプレスリリースがあり、いよいよ光ファイバー利用のインターネット接続サービスが8/1から始まる。ISDN/ADSLともに川崎は東京23区の次に対象地域になってきたけど、FTTHでも同様で来年1月から。でもおそらく工事の関係でこれまで以上の待ち時間が必要になるのではないか。とすれば実際には来年の4月くらいから利用できるようになるのかもしれない。ということでADSLモデムの利用期間はどっちにしてもずいぶんと短いものになる。1年未満。通信に限って言えば、時代の流れは激流のごとく速い。

  昨年末まで3年間利用していた3webというプロバイダのホームページを見て「べっこあめ」に身売りしていたことを知る。ううむ。もうすでに、独立系のベンチャーがプロバイダ事業を担える時代ではなくなっているようだ。ソフトバンク&Yahooが8MBPSのADSLサービスを始めるという。月額は2850円という話。以前ソフトバンクは東電とのジョイントベンチャーで電信柱にワイヤレスなネット・ハブを設置した高速インターネット・サービスを計画していたけど、埼玉の実験地域以外の展開はおそらく放棄されるのではないか。山国日本で無線利用は辛いサービスになるだろう。東京都のデジタル放送のアンテナ設置場所が秋葉原になるとかいう話もある。600~800m程度のアンテナが必要だとか。そういうアンテナが建ってしまえばワイヤレスサービスも容易なのだろうが、地を這うような無線ハブの設置は大変だと思える。

     AthronMPがリリースされている。AMDのCPUを利用してもDual-CPUシステムの構築はとりあえず可能になっている。今年末から来年にかけてこれが流行るだろう。DDRメモリも安くなっている。個人的にはDual基板には興味があるが、主たる関心はむしろマシン相互の疎結合でシステム全体のスループットの向上と、システムダウン時の全滅死状態を回避するフォールトトレラントなシステムを構築することだ。サーバーという観点から見ると性能的にAMDのCPUには魅力を感じる。しかし消費電力がベラボーなので躊躇している。特にAthronのGHzチップは60W程度も喰うのだ。この点で言えば、IntelのCPUのほうがクロック周波数あたりの消費電力は小さい。サーバーの様に24時間運転を前提とした場合、電気代の負担まで考えると、電力消費の問題は無視できない重要な要素だ。電気代はお金の問題だけでは済まない。すでにパソコンの電力消費だけで原子力発電所1基分に達するという話もある。という意味で、CPUの問題はエコロジーの問題でもある。

     昔、半導体のセールスをやっていたころ、顧客から8086のプラスティック・パッケージを要望されたことがある。インテルは結局セラミック・パッケージでしか8086をリリースできなかった。20年前当時の業界常識では消費電力1Wがプラスティック・パッケージの限界線だということだからだ。8086はn-MOSであったため消費電力を小さくできず、1.5W~2W程度。NECのV30はC-MOSのCPUだったのでプラステック・パッケージで製造できた。CPUチップに放熱器を乗せるという実装は80286以後のことだ。もちろん、大型機ではそれ以前から普通であった。それにしても、60Wとは異常な感じがする。Dualにしたら120Wだ。133MHz程度のPentiumなら10W前後だ。133MHz程度のCPU能力で済む処理は古いマシンに担わせた方が経済的だ。ううむ。こう考えると、人間を含めて、生物の脳システムがいかに驚異の低電力システムであるかがわかる。遠い未来に、現在のようなコンピュータの時代が石器時代並の古代的システムに見えるときがきっと来るに違いない。


●MicroATX (2001/8/15)

   先日、久しぶりにPCを1台増設した。長い間使用していたPC-AT型のPC-Chips社のマザボで使用していたCeleron700MHzが余っていたからだ。このマザボは秋葉原のOverTopで何年か前に購入したものだが、当初からIDE周りにトラブルがあり、我慢に我慢を重ねてだましだまし使っていた。元々はSlot-1型のAT基板で当初はCeleronの333MHz(Slot-1)を実装したが昨年末にアダプタを介して700MHzのceleronに変更していた。しかし、いったんIDE周りがハングアップすると半日程度駄々を捏ねることに閉口して廃機にした。長い間、webサイト開発の主機だったから愛着もあったのだが。

   次期システムとしてLinuxベースの分散型のサーバー構築を計画していることもあって、実験環境としてLinux機を最低でも3台用意する必要があり、保管してあった700MHzのCeleronを現役復帰させることにした。もう一台はDuronの900MHz機。あとの1台は太古の166MHzのCylix(AT)機だ。実験環境とはいえ、数台のPCの置き場所には苦慮せざるを得ない。そのため、以前に購入したことがある、MicroATX専用の小型の箱(YA-101)を買ってきた。2箱目。LEDだと思っていた前面パネルの3つ目がリセットSWだと販売店に教えられていわば衝動買いに近い。

   Celeron用のMixroATXの基板を探したところ、秋葉原でさえMicro-ATXの基板が消滅状態に近いのには驚いた。無いわけではないが、拡張性に比して高価であるし(14000円以上)、だいたい選択の幅が小さい。という点が気に入らない。それとそもそもSocket370のマザボが半年前に比べてだいぶ少なくなっている。ショップ店頭ではSocket-A型が幅を利かせている。もちろん、Pentium4への移行を進めるIntelの戦略を見ればSocket370の基板に将来性がないのは明らかだから当然の成り行きといえるかもしれない。しかしAMDは「受け」ているのだろうか?。米国IBMはAMD-CPUの採用を取りやめたという。DELLの製品ラインにAMD-CPUはない。という現実が片方にある。秋葉原の状況はある意味で秋葉原ローカルなのだろう。

   結局MicroATXのマザボの購入は断念した。ノーマルのATXの箱に入れてあったMSIのM-ATXのマザボ(Celeron850MHz)をYA-101に入れ替えて空になるその箱にフルサイズのATXの基板を入れることにした。といっても、たかだか66MHzのCeleron700MHzだから、基板は最新でなくてもいい。HDDも8GB*2でATA33/66のものだから。ということで、Laoxで売られていたASUSの古めの基板(9980円)を買ってきた。ALIのチップセットでTNT2(8MB)のVGA内蔵というものだ。今時ATA66までの基板の「新品」なんて明らかに売れ残り。でも、まぁ、これでいいのだ。

   CD-ROMは前面パネルが変だという理由で安い(1980円)ドライブを2台。「あきばお~」という安売り店はおおよそチープだが、ここで売られている10BaseTのバルクケーブルはチープに過ぎるので要注意だ。2m物で200円しないが、やはり安物の10/100Baseのイーサのカードと相性が悪い。RealTekの8139を使ったカードはWinでもLinuxでもドライバーの点で困ることはないが、コネクタのチャッキングがうまくない。ハブと接続してもイーサカードの緑色LEDが点灯しない。これはこのケーブルの問題で、ブランド物(といってもJustyなどがブランドかというと問題があるかもしれないが)のケーブルならそういう問題が起きない。ATXのケースも背面のカードパネル部分の設計に問題があると、10Base-Tのソケット穴が100%露出しない。そういう状態、つまり、ケーブル挿入時にコネクタの浮きが生じる可能性がある場合でも問題が生じないケーブルと問題が生じるケーブルがあるということだ。

   来年始めには、サーバーの実機を数台用意しなくてはならない。その際には、マザボはすべて同じ物にする予定だ。そうすれば、リファレンス機を1台用意すれば、FDもCD-ROMも実装させる必要が無くなる。実装部品点数が少なければ少ないほど故障率は低くなる。補修部品も一式で足りる。サーバーといってもWEBサーバーだから、企業内サーバーやECサーバーと違ってある種の安全性を重視する必要もない。ただただ、安定的に動いてくれればいい。残念なことに、秋葉原で売られている部品の多くはサーバー向けではない。特にケースと電源。放熱のことを真に考慮したケースにお目にかかったことはあまりない。うーむ。実際の選択ではこれまでの感覚とは全く違った観点が必要だと感じている。


●Linuxネットワーク環境 (2001/8/26)

   先日、お蔵入りになっていたCeleron700MHzCPUを現役復帰させたことで、現在、実験環境を含めて8台のPCが稼働している。その構成を簡略に言うと以下の通り。

・Athron1.2GHz (Win2K)
・Duron 700MHz (Win2K)
・Celeron 733MHz (Win98ME/2K Sharp PC-MJ750M)
・PentiumMMX 200MHz (WinNT4svr)
・Celeron 850MHz (RedHat 6.2)
・Duron 900MHz (RedHat 7.1)
・Celeron 700MHz (RedHat 7.1)
・Cylix 6x86 166MHz (RedHat 7.1)
   見ての通り、CPUを含め全く異なる構成のPCばかりという点、我ながら呆れている(^^;。

   これらPCは全て100Base-T。またeth-0 レベルでMS-Network/Sambaを用いて接続している。Linux機のいくつかはゲートウェイ設定を殺してインターネットからあえて切り離している。また、RH7.1の3台はイーサカードを2枚刺しにした上でeth-1ベースで裏接続している。実は今回nfs接続を試すことが目標の一つだったのだが意外と簡単に事が終わった。その前に、

   chkconfig --level 35 smb on

   とすることで、まず、sambaをboot起動できるようにした。sambaの設定に問題が無ければ上記コマンドでsambaもboot起動するようになる。だから、nfsを起動するだけなら、

   chkconfig --level 35 nfs on

     だけでnfsもboot起動できるようになる。nfsを導入することで、Linux機相互のファイルのやりとりがsambaライク、つまり外部デバイスのマウントする形態で利用できるようになる。とはいっても、上記の起動設定のほかにいくつかの設定が必要だ。

   まず、/etc/hosts ファイルを用いて、Linux機のIPを定義する必要がある。次に、デバイスを公開する外側のLinux機の /etc/exports ファイルに以下のような記述を保存する。このファイルはデフォルトでは空ファイルだ。

   /data_dir remote_host1(rw)
   /data_dir remote_host2(rw)

   公開すべきディレクトリ(/data_dir)と公開すべきホスト名(remote_host1/2)を任意に定義することができる。ここで再起動すると公開デバイス(ディレクトリ)を有するLinux機でnfsデーモンがいくつか走るようになることを( ps ax )コマンドで確認することがきる。

   次に、公開デバイスを利用する側Linux機では、以下のようなコマンドを打ち込むことでいつでも、任意なデバイス名(/any_name)でマウントすることができる。もちろん、( /etc/fstab )を書き換えることで起動時マウントも可能になる。ルックアップ・テーブルファイルをセマフォとして用いれば、複数のLinux機による分散処理の同期を調整することができる。Unix/Linuxの機種間接続はあっけないほどに簡単だということが理解できる。とはいっても、便利になるだけ、セキュリテイのケアポイントが増えるのはちと面倒ではあるのだが。

   mount -t nfs remote_host1:/data_dir /mount_name

     その昔、終端開放(未接続)のケーブルがくっついたHUBがノイズを拾って通信速度が無茶苦茶遅くなる。という事故を経験したことがあり、実は今回HUBまわりを整理した。束線バンドでケーブル類を整理しつつ、不要なケーブルを整理した。実はポートが足りなくなるかと思い、8portHUBを新規購入したのだが、IPルータに4port付いているのをすっかり忘れていて、それを利用したら、新品HUBを開封する必要がなくなってしまった。eth-0側は5port-8portをカスケード。あとeth-1を5portHUBで繋げている。

   ちなみに、2枚刺し状態のeth-1のカードのIP設定は、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1で設定できる。x-windowのtoolで設定したつもりだったのだがなぜかうまく設定できていなかったのでviを用いて再設定した。だいたい以下のような感じ。  
DEVICE=eth1
BOOTPROTO=static
BROADCAST=192.168.11.255
IPADDR=192.168.11.77
NETMASK=255.255.255.0
NETWORK=192.168.11.0
ONBOOT=yes



●ssh クライアント (2001/8/27)

   RedHat 7.1 ではtelnetd のSSL対応版のターミナル・デーモン(telnetd)であるsshd がデフォルト・インストールされている(といってもインストール時の設定をカスタム設定で「全部入り」にした場合)。このsshdのサービスを利用する場合に問題となるのはsshクライアントだ。Windowsにはssh対応のtelnetは付属していないから(Win2Kにはそのtelnetも無いのでWin98版を流用していた)別途用意しないと駄目だ。もちろん、イントラ接続ならsshクライアントなんて不要であるはずだし、外部サーバあるとしてもそもそもsshdが走っていなければsshクライアントは無用の長物となる。Windows版のSSHクライアントと言う点でいえば、tera term + TTSSH がお手軽だろう。  
 tera term : http://www.vector.co.jp/authors/VA002416/
 ttssh : http://www.zip.com.au/~roca/ttssh.html
   インストール方法を簡便にいえば、まずtera termをインストールした後、tera termのプログラム・フォルダ内にttsshのファイルを解凍(コピー)すればOKだ。ttermpro.exeがオリジナルの実行ファイルだが、ttssh.exeを実行すれば接続ダイアログにSSH選択枝が付け加えられて表示される。

   TERATERM.INIの中に[HOST]定義文がコメント記述されている。これを適宜書き換えてコメントを外せば、上記接続設定ダイアログに任意の接続先をデフォルト表示させることができる。Tera Termにはその他にもMacroやモデム設定、今となっては懐かしいX/Z-MODEMやB-Plus等々のファイル転送プロトコルなどもサポートされている。機能的には必要十二分というものであるから、用途的に不満は生じないだろう。

   留意すべき点があるとすれば、ttsshは「SSH protocol version 2」をサポートしていない。作者のRobert O'Callahanさんによれば、都合上、今後ともサポートは予定していないとのこと。    Windows機からssh接続を行う別方法として、とりあえず、イントラネット上にWANにクライアント接続可能なゲートウェイ設定したLinux機を用意して、そのLinux機とtelnet接続してからtelnetウィンドウ経由でsshを起動するという方法もある。親亀・子亀方式。もちろん面倒であるし、su変身やらroot接続やら入り乱れるのであまりお薦めではない。そういう方法も可能だということに過ぎない。


●液晶モニタ (2001/8/28)

   今日、借り物だったDELLのPowerEdge1300と17インチモニタを返却してしまったので、主機用のモニタが机上から無くなってしまった(実は内心ではしめしめなのです。もう1台PCを置く場所が確保できたから。次はDual-AthronかPentium4)。そこでやむを得ずモニタを買いにでかけた。数日前にも実は秋葉原へ偵察にでて目星はつけていた。それで今回はCRTではなく液晶モニタにすることに。選択の余地という点で15インチ液晶モニタは種類も多い。が、長時間常用するのだからという言い訳で17インチにした。MITSUBISHI製のRDT171M。幸いにもドット落ちは皆無であった。故障が起きても液晶モニタであれば、販売店まで持ち込める大きさ・重量だ。ところがこの三菱のモニタは訪問修理対応製品だ。たまたま叔父が定年まで三菱電機に勤めていた関係もあって、昔から三菱製品はよく使っている。故障した場合でも訪問修理サービスがあるし(RDT171Mが訪問修理対応製品だということもある)、実家と拙宅とで3年に1度程度、ファンヒーターやらテレビ、クーラーなど修理依頼をしている関係で、地区担当のエンジニア氏とも顔なじみになっている。そういう関係もあって、同一種のモニタが日本電気からも販売されているとは知りつつも、あえて三菱製を購入した。通販を利用すれば66000円程度で買えるようだ。あえて5年保証のオプションを付けて購入。ただし購入店を間違えてしまった(^^;。LaoxでもSofmapでも79800円だが、Laoxは4000円分のクーポン付き。たまたま在庫切れで、Sofmapで。ところがポイントは1%(800円)。なんのこっちゃ。という詐欺にあったような感じなのだ。それなら、さくらやとかヨドバシとかのカメラ系量販店の方がマシ。売価は同じでもポイント還元率が違う。在庫があるというだけで衝動買いしたことを少しばかり悔やんでいる。Sofmapで購入する場合は事前にポイント率を確認する必要がある。

   モニタの場合、何をもって画面サイズと定義するのかはっきり覚えていない。画面表示サイズであるのか、CRTならガラス面サイズでいうのか。液晶モニタの場合、ほぼ、ガラス面サイズ=表示面サイズだが、CRTの場合は構造上、表示面はやや小振りになる。そういうこともあるのか定かではないが、17インチの液晶モニタはCRTの実用感と比較して大きめという感じがある。実際、この文章は1280*1024の画面サイズにして書いているのだが、CRTの時はそもそもこのサイズではフォント表示が小さくて使う気になれなかった。体感的に言えば18インチCRT位の感じがする。Matrox のG450 DualHead との相性は今一。1280*1024ならフォントも細身でいかにもMatrox的な繊細感が出るが、1024*768だとフォントににじみが出るような感触。ドライバ類をインストールした上でそうなのだ。こうした表示サイズ変更という点では、純アナロガスなブラウン管表示のほうがいいのかもしれない。

   とはいうものの、なんといっても、場所をとらないというメリットは他に代え難い。CRTモニタを利用していたときはモニタの前には本1冊を置けるかどうかのスペース(奥行き1/4程度)しかなかった。しかし今では机の奥行き3/4程度が自由に使える。脇に15インチのCRT(空き:奥行き2/5程度)をいまだLinuxサーバーのモニタ用においているが、設置面的に突出した感じになってしまった。これはこれで15インチか何かの液晶モニタと取り替えたくなってしまう。

   そういえば、ここのところ続いている電気メーカーのリストラ策を見ると、日立も東芝もCRTモニタの製造を止めるという。17インチクラスの大型液晶パネルのコスト安が本格化してきた今、ブラウン管ベースのモニタはいずれ死滅する運命だと見限ったのであろう。実はブラウン管市場は最近まで日本製品がそれなりのシェアを確保していた分野であったのに。旧技術が新技術でリプレースされる現在的な典型例といえるのもしれない。液晶パネルは韓国や台湾メーカーが急進している分野だ。この製品に搭載されている液晶パネルはどこ製なのであろう?

   その昔、倒産直後の山一証券の本社に行ったことがある。1階は天井も高く、新調したばかりの株価表示板だけでなく、人気のまばらなデスクの上に17インチクラスの新品同様の液晶モニタがたくさん配置されていたことに贅沢だなぁと驚いた覚えがある。何年か前の話だからモニタ1台で40~50万円はしていたはずだ。それら機材の納入業者は債権回収できたのであろうか? リースの場合なら....。




●ハードディスク交換 (2001/9/9)

   先日、4台目のPC-Linux機を組み上げたのだが、HDDの容量が3.2GBだということを忘れていて、2.6GB程度になるRH7.1のフル・インストールには不足と思われ、HDDを追加する算段を講じた。現用のWin2K機の30GBのHDDを倍程度に増量して、そのHDDをローテーションすることを考えた。もちろん、Windows2Kのbootドライブだから、新規のHDDと交換するとなるとアプリケーションやデータを全てバックアップしてからさらに移し替えなくてはならない。

   最近、DriveCopyとかDriveWorksなどというHDDまるごとコピーToolが市販されている。こうしたToolを使えばドライブバックアップの面倒さは軽減されると思われた。現用主機のマザボはASUSの古めのA7VだからATA66が基本。とりあえず、ATA100-7200RPMラインのHDはパスするとして、5400RPMのHDDを探すことにした。普通なら、秋葉原とかでバルクのHDDを買うところだが、今回は、メルコの内蔵用のIDE-HDDの増設パッケージを購入してみた。ショップによって値段はまちまちだが、概してバルクのHDDをまともに販売している店は安くない。ヨドバシで60GBが約19000円弱。メルコの増設IDE-HDDパッケージのポイントはHDD用のユーティリティが付属していること。DriveCopy/PartitionMagic やフォーマッタ等々。Windows98/ME用途に限れば十分だが、Windows2000ということだとPartitionMagicが対応していない。Linuxであればどうだろう。DriveCopyのステータスにはLinuxパーティションを表示できるようだが、マニュアルなどにはその旨の記述はない。いずれにしても、こうしたパッケージや、5.25インチ・ベイ用のHDD取り付けアダプタも付属しているという点ではお買い得だ。60GBのHDDは秋葉原でも15000円~16000円前後。ヨドバシのポイント分を考慮すれば差額的には1000円強程度でしかない。ただし、HDD本体は韓国サムソン製。スペック的にまた実績的にいって不明なので不安感がやや残る。ま、しかし、メルコ+ヨドバシの1年保証が付くのでよしとすることに。

   付属のユーティリティで丸ごとコピーを実行してみた。30GBのHDDには約10GBのファイルが入っている。変則的なことがあるとすれば、IDE-0コネクタに接続してあった30GBのHDDのIDは0でなく1だということだ。これが今回のトラブルを引き起こした。つまり、ID=1の30GB-HDDからID=0の60GB-HDDへの丸ごとコピー実行後、旧ドライブを引き抜いてから再起動すると、Windows2000は体よく起動するかのごとく見えたが、ID/パスワードを入力した直後に「スワップファイルの容量不足」というエラーが出て再度ID/パスワードを入力する画面に戻るというループに入るのだ。物理メモリが1.2GB積み込んであるせいもあるかもしれない。エラーメッセージでは「マイコンピュータのアイコンを右クリックしてから....」という具体的対処法が示されるが、そもそも「マイコンピュータ」アイコンが表示される以前でループするのでその対処は不能。Windows2000のスワップファイルはCドライブのルートにあるわけでなく、OSのフォルダの中にあるので、別途Win2000を正規にインストールしても問題は解決しなかった。重ね書きすればインストール済みWin2Kのレジストリやインストール済みのドライバ類はオシャカになる。

   実は、別途、DriveWorksという同類のパッケージを同時に買い求めてあったのでそれを試してみることにした。正規パッケージで、これはLinuxなどにも対応する。で、DriveCopyが10GBファイル入りのドライブをコピー完了するのに1.5時間程度かかったので、これもそれくらいだろうとタカをくくっていたら、なんと作業完了に6時間程度かかってしまった。ううむ。1.2GHzのAthronで1作業6時間も要するソフトなんて。正直言ってツカエネーという感じなのだ。それでも、ちゃんと動いてくれれば「許す」。と言えるかもと思い起動してみると....DriveWorksの場合と全く同じ症状で正常起動せず。(^^;

   この種のソフトを高速動作するように作るとすれば、まずはセクタ単位で完全コピーしてから、ドライブ容量に関連するパラメータやFATあるいはファイル管理エリアの修正を施し、さらに、ファイル単位でOSとの整合性を修正・確認するということだろう。ところが、どちらも所期のコピー作業はファイル単位である。おそらく、ドライブの容量の大小でファイル管理エリアのサイズが異なるために、その増減分を考慮することが必須事項となるからだ。大昔、84年頃、CP/M86=>MS-DOS(1.0)へのファイル変換ツールをMASMで書いたことがあり、だから、FATそれ自体はファイル管理エリアに固定的連続して領域確保されていることは承知している。NTFSについては詳しくはないが、同様の仕組みを有しているはずだ。CP/Mはその点ではoldで、ファイル管理エントリ自体にセクタチェインが保存されるという形式であった。良くも悪くもFD時代のOSだった。

   所用時間に限って言えば、シマンテック社のノートン・ユーティリティは高速だ。最適化されたセクタコピーとノートンのような最適化された検証ツールを組み合わせれば10GB程度のデータコピーなら30分程度で終わっても不思議はないはずだ。6時間の処理の相当部分が「無駄」であることは間違いない。この分野は今後ますます需要が高まるだろう。ホット・スワップ可能な着脱式HDケースと組み合わせて使えば、DATとかによるHDDのバックアップなどは不要となる。HDDを用いたHDDのバックアップはある意味で最も高速かつ簡易なバックアップ・ソリューションだと思える。というのも仮にクラッシュ事故が起きた場合、HDDを取り替える手間と時間でシステム復旧できる。事故の際に一番要求されることは、復旧時間の短さだ。特に多人数で共用しているサーバーのHDなら最重要ポイントだといえるだろう。しかし、この種のソリューション・パッケージが日本で開発されることはたぶん無いのかもしれない(これまた大昔の92年頃、MacintoshのSCSI/HDDのドライバを書いていた頃、同じアイデアを考えたことがある。ただし、当時HDDはとても高価だったからコスト的に無理があった。でも、現在のようにHDDが安価な時代なら十分コスト的に無理のない対処法だと思える。)。

   さてさて、結局のところ、ソースとなる30GBのHDDのID=1をID=0に設定し直して、いわばマニュアル通りにDriveCopyを実行したところ、問題なくすんなりと起動した。それでも問題が皆無であったわけではない。DriveCopyのマニュアルによれば、Windows2000ベースで作業ディスクを作成するとWindows2000用のGB-HDDを認識できないので、Windows98起動PCで作業ディスクを作成するようにとあった。しかし、SharpのMebiousノートの750Mではその作業ディスクが作れなかった(98MEだから?)。Windows2000-PCで作成した作業FDは最初に「シリンダ数1024以上のHDDが認識されました。」というメッセージが出るものの、作業に支障は生じなかった(ログサイズ・エラーについてはマニュアル通り無視した)。また、同様の設定でDriveWorksが動くかどうかはチェックしていない。たぶん動くだろうけどね。1トライ6時間などと悠長に遊んでいる暇などないのだから。

   ということで、都合2日間、10時間以上も費やしてしまった。これなら、バックアップをきちんとして、全部のアプリを再インストールした方が事は早く終えられたと思える。結果論的にはそうだが、この種のtool類はヘッドクラッシュ対策には有効(つまり各種設定を終えた後のHDDのバックアップができるという意味で)だから、より高速で簡便なソフトあるいはシステムが出てくることを期待している。この種のソフトを書いてみるのはある種とても楽しいことに違いない(O.S.の仕組みを詳細に知ることにつながるから)。だけれども、そういうことは時間を持て余している若い人にこそ向いていると思える。


●Linux7.1の問題 (2001/9/9)

   先日購入した、Celeron950MHzはDステップCeleronということらしい。MSIのちょっと前のMicroATX基板に載せて使っているが今のところ問題は出ていない。調べたわけではないが、おそらくコア電圧の標準値が従来品よりやや高め仕様になっているのではないかと思われる。ずいぶん前、Yahoo! オークションで購入した75MHzのPeniumのメビウスノートのCPUを200MHzのPentium(Non-MMX)に換装した際、クロック倍率を200MHz設定にすると不安定になり起動さえもままならない症状だったので、166MHz設定にして使用していたことがある。これは熱の問題というよりコア電圧の問題。コア電圧を規定値に上げればたぶん熱暴走の危険性を度外視できれば動いたと思う。なにせ電源ON直後から不安定なのだから、CPU内部のロジックのスレッショルドが不安定になっているのであろうと想像していた。さすがにコンマ以下の電圧調整を要する改造はデジボルを持っていないアナログテスターな私には荷が重すぎるので断念した。倍率改造を施した改造メビウスは166MHzでならハングアップしたことは今まで一度もない。だから、DステップCeleronの特異性がコア電圧の問題であるなら、比較的低クロック倍率のDステップCeleronなら問題が生じにくいということなかもしれないと、半ば鰯のしっぽのごとき信心状態にある。

   そのCeleron950のPCとここ2~3日格闘していた。元々、RedHat6.2をインストールして使っていたのだが、事の発端は、イーサカードをRealTekの8139の「何処にでもあるカード」からNetGearのAF311に変更したことにある。NS社のLSIを用いた結局AF311はLinuxドライバーの問題で使用を断念したが、それに替えてDECのTulip互換のLSIを搭載したAF310に変更したのだ。ところが、Plug&Playに対応しているということで気安くあれこれ抜き差ししている内に、Linux6.2のイーサ周りがおかしくなり、ドライバが駆動できるのは8139のみで、他のNICは起動時に起動はされるものの、エラーとなりデッド状態になるという意味無し状態になってしまった。そこで、RedHat6.2をRedHat7.1にOSアップデートした。すると、NetGear AF310のみならず(RH6.2でも認識はしていたが後差しP&Pでうまく動かなかった)RH6.2では認識されなかった Sis900というSis630のコンビネーションNIC-LSIも認識動作するようになった。

   ところがなのです(^^; 。RH6.2からRH7.1へOSをアップデートしたLinux-PCは、pingは通るものの ssh,telnet,sambaなどなどことごとく接続できない状態になってしまったのです。ファイアーウォールによる隔離状態。psコマンドでプロセス自体は走っているのは確認しています。で、この辺りを詳説したドキュメントがほとんどない。redhat.co.jpのサイトにあるRH7.1のFAQに、setupコマンドのファイアーウォール設定あるいは、それから起動されるlokkitというプログラムで設定できるとあったので、それでは早速と思いsetupコマンドを起動すると、なんとファイアーウォール設定メニューが無いではあ~りませんか(爆)。lokkitも無いみたいなので、これはOSアップデートでの増設設定漏れかと思い、7.1のOSアップデートを再度起動してカスタム設定で追加プログラムの項目を見るとそこにも無いのでありました。ううむ。6.2=>7.1のアップデートで半人半馬状態になってしまったような感じ。

   RPMベースでどこからかlokkitを持ってくる。という手段と、lokkitが設定しているであろう設定ファイル等々を探し出すという2種の手段を考慮したけれども、そもそも情報不足で(巷のRH7.1解説本もセキュリティまわりは薄くて参考にならないので書店立ち読みで放棄)、結局7.1を再インストールすることに。このRH6.2-PCには色々なファイルがインストールされていたのですが、クラッシュ対策として重要なファイルはバアクアップしてあるので、えい・や。という感じ。これで4台が全部RH7.1ベースに。また、OSをRH7.1に変更したことで、これまでBIOSレベルで切り離していたSiS900(NIC)も使えることになり8139NICがさらに1枚不要に。8139のNICも予備として2枚持っていたのがここのところのNICのリプレースで5枚ほど余ってしまった。

   RH7.1のapacheの設定ファイルは6.2のそれと比べてずいぶん異なっている。その理由はRH7.1ではSSLが標準でサポートされたことによるのだろう。SSLに対応するためにはこれまで再コンパイルなどの手続きが必要であった。まぁ、イントラネットでSSLもないとは思うがe-commerceサーバー的なシステム開発をしなくては商売にならない人たちには光明かもしれない。

   サーバー再構築のため現運用サーバーから1.5GB程度のファイルをダウンロードし、さらに再設定を行った。その際、実に単純な忘れ物で随分と時間を浪費してしまった。それはユーザディレクトリにおいてCGI実行を許可する設定だ。httpd.confが大幅に異なっていたことと、ファイアーウォール設定の煩雑さでナーバスになっていたせいもある。単純なCGIでさえインターナルサーバーエラーで動かない。結構これはやっかいで、エラーログを見ても「スクリプトの読み込みは予期に反して終了しました」的なエラー。ううむ。そういうエラーとは一体何。という感じ。

   結論を言えば、ユーザディレクトリのパーミッションが777に設定してあったこと。問題は777は755でなくてはならない。ということ。777/775でも.htmlファイルならブラウズできるのでやっかいなのだが、cgiを実行しようとするとユーザライタブルな設定ではapacheが許してくれない。いわゆるDocumentRoot側はそうでもないようで、ユーザディレクトリの設定だけこのパーミッション設定がシビアの模様。ユーザディレクトリのサブディレクトリをライタブルにした上でそこでcgiを動かしたらどうなるか。ううむ。777だったらhtmlファイルも送出できないようにしてあればとは思うのだが、そうでもない。この種の煩雑な問題を回避する一つの方法は、データファイルなどの格納をapache管理外のディレクトリで行うことだろう。といってもこれはルート権限を有するユーザしか行えないことだ。

   いずれにしても、たかだか、パーミッション設定の問題であるに過ぎなかった。単純といえば単純だが、ある意味でセキュリティ問題はこのパーミッション設定に始まって終わるのだろう。パブリックとプライベート、厳密な権限掌握など。しかし、ユーザ・レスポンスを記録できないような単方向のwwwサイトは単なる広告塔以下の何かだから話はややこしくなる。こういう部分をもっと簡単にラップできればいいのにと思う。

   最近のお買い物としては、YAMAHAの16倍速のCD-RW。IDEが9800円。外付けSCSIが12000円。どちらも近所のダイエー内のLaoxにて。他にIO-DATAのUSBベースのMPEG2キャプチャ。ただ、これは問題が多くて使い物になるかどうか不明。Laox等他店では26000円前後。ヨドバシで19800円(これはここがお買い得)。あと、Remexの1:4のVGA/PS2KB/PS2Mouse切り替え機これもヨドバシで13800円。ケーブル4本込み。サーバーも4台になりキーボードの置き場所に困っていたところ一気解決。ただし、キーボード3枚が置物になってしまった。ううむ。

   その昔、「男の120回分割払い」等と称してMacintoshIIfxなどが売られていた時代があった。パソコンを1セット揃えるためには50万円から100万円あるいはそれ以上かかる時代があった。120回分割の10年払いだとまだ払い続けている人がいたりするのかもしれない。かくいう私も初代9801や漢字talk-upgrade付きの英語版MacPlusには大枚をはたいた口だ。いつも残金で新しいPCが買える感じでPCの値段は下がり続けていた。今や売価より製造コストの方が高くなるので日本では一般向けPCは国内製造さえも難しくなっている。今のデフレは結局、日本人の賃金レートが中国人並になるまで続くのかもしれない。付加価値格差を作れなければ賃金格差は維持できない。PC周辺の現状を見ていると、この付加価値格差を維持できそうな会社が実に実に少ないことに愕然とせざるを得ない。付加価値を作れない仕事をしている限り賃金は中国水準に向けて下がる一方だろう。たぶん。  


●512MB DIMM と Macintosh G4 867MHz (2001/10/2)

   一昨日、Apple Macintosh G4 867MHzを買ってしまった。Webのクライアント環境のバリエーションをある程度確保しておかなければならないという理由によるのだが、それにしても、最後に新品購入したMacintoshはQuadra840AVだから、何年ぶりだろう、6~7年は間をあけたことになる。その間、Appleにはいろいろあった。もちろん、僕自身にもいろいろとあった。

   MacOS X 10.1 がリリースされて、ようやくMacOS-X もそれらしくなってきた。では使ってみよう。というのが購入の主な動機だ。まだ箱から出したばかりで、あまりいじっていない。残念なことが一つある。それは10.1がリリースされたその日に購入したというのに、10.1システムはおろか、update-disk さえも添付されていない。ということだ。無料アップデートの用紙をもらっただけ。必要事項を記入して保証書のコピーを張り付けてFaxするとCD-ROMを送ってくるという。しかもその用紙には「発送まで1ヶ月程度お待ちいただく場合があります。」などとある。こういうApple社のちぐはぐな「高飛車」さというのは昔からだからまぁ驚きもしないが。ちなみに10.1のアップデータはダウンロード・サービスされてはいない。従来のMacOS-Xのユーザでさえも2500円の費用支払いが要求される。

   メモリは128MBしか実装されていないので(BTOするとばか高いメモリを買わされることになる)、つい先日、町田のソフマップで買った256MBのメモリを追加してみた。とりあえず起動し、aboutページを見るとちゃんとメモリが認識されているので一安心していた。Macのメモリは一般的な133MHzの3.3V DIMMが使える。メモリ追加は値段的にもPC市場の過当競争の恩恵をうけることができる。

   ところが、夜中にDVDの『Matorix』を再生しっぱなしにして眠り込んだら、翌朝にハングアップしたまま凍りついてしまっていた。やーな感じ。しょうがないので再起動したらこんどはCRT画面がぐちゃぐちゃ。うーむ、何かいけないことをしてしまったのだろうかと少し考えてしまった。結局増設したメモリが原因だった。ソフマップで買ったDIMMを外すと健康になったのだ。しかし、256MB-CL3のメモリでは間に合わないのだろうか。

   先日返却してしまったDELLのPowerEdge1300の設置スペースが空いているのでそこに押し込む前にメモりは満タンにしようと思い、512MBのDIMMを3枚買ってきた。ただ、先の256MBのDIMMが異常状態の原因となったように、PowerMacG4-867のチップセットはメモリと相性の善し悪しがあるようなのでどうしてもナイーブにならざるをえない。この種の「相性」の問題が発生するとは結局、周辺制御のチップセットのハードウェア・マージンの余裕のなさつまりチップセット設計あるいはチップファンダリに問題があるということだ。といっても、チップセットに要求される集約度は、MacにしてもPCにしても、PCIやらAGPやらATA66/100やら等々で年々複雑さを増しているのが実情だから一方的に責めるわけにはいかない。チップセット設計・製造というある種の根幹技術の分野で日本の電子産業が全く非力であるという現状は情けないの一言に尽きる。

   512MBのDIMMは全く要注意だ。現時点で秋葉原で売られている「安い」512MBのDIMMは主にVIA/SiSのチップセット専用だと考えていい。秋葉原の店頭でもInterlのチップセット810/815では動かないと明記されて安売りされている。この「安い」DIMMを1枚(4700円弱)、さらにそうした問題のないDIMM(5800円弱)を2枚、DOSパラで購入してきた。それをPowerMac-G4に差し込んでみた。結果、PowerMacG4もまたIntelの810/815同様の問題を確認した。「安い」DIMMでは電源投入時のポーンという音さえ鳴らない。いわばRAMを実装しないままCPUを走らせている感じなのだ。

   この問題はDIMMの値段で決定されるわけではない。要はDIMMに使用されている256MBitのD-RAMが64MBit*4構成か32MBit*8構成かの違いによるようだ。実際、T-Zoneで販売されていたToshiba製のChipをのせたDIMMは1枚が7000円弱と比較的高価であるにもかかわらず店員氏によれば810/815では動かないと言う。D-RAMチップの内部構成の違いがDIMMの端子に表出するというのも不思議な話だ。どのような内部構成のchipを使ったとしてもDIMMの基板がその違いを吸収してしかるべきなのに。この問題の原因はおそらく、リフレッシュ信号の扱いがPowerMacや810/815の場合、64MBit*4構成のchipを扱いきれないところにあるようだ。ある意味でVIA/SiS等のチップセット・メーカーは「それなりの工夫」をしっかりしている。といえるのだろう。512MBのDIMMには明らかに2種類あり、インテル810/815に対応していないDIMMは安い。しかし、本来的には、AppleG4Macやインテル810/815のチップセットが64MBit*4構成のDIMMに対応できていない。という方が正しいのだと思える。おそらく、それらチップセットのD-RAM制御回路がリフレッシュカウンターを32Mbit対応分までしかもっていないのだと推測している。この仮定が正しければ64MBit*4タイプのD-RAMは半分しかデータを保存することができない。いずれにしても512MBのDIMMはインテル810/815対応のものと指定した方がよいだろう。将来的な(といってもここ2~3年だろうけれど)「使い回し」に禍根を残すことになりかねない。

   これまで、Macintoshは85年のMacPlus, 87年のMacintosh IIcx, 95年のQuadra840と使ってきた。主にprogramming用途だった。Macの故に CやC++,Pascalなどを学ぶことができた。英文のInsideMacを読むことがなければ今の僕の英語力もなかっただろう。しかし、LegacyMac w/MacOS はもはやAmigaやAtariSTなどと同じで、削除するかどうかは別として、「ゴミ箱」に入れておくべきものだ。懐かしみが重要なのは当然だとしても、過去を振り返ってばかりいると、いつの日か頭が固くなっている自分を見いだすであろう。だから「赤い彗星」のように「過去を捨てた男」であり続けなくちゃならない。新しい出来事に対応できないことからボケは進むのだから。  


●Macintosh と Windowsの共用環境 (2001/10/7)

   先日 PowerMac G4 を手に入れた関係で、机の周りを整理せざるを得なくなった。当初はかなり以前から使っていた単純なVGA切り替えスイッチボックスで済ませるつもりだったのだが、1024*768クラスだと信号減衰とノイズのせいでモニタにゴーストが現れるので使い物にならないと判明。それに机に置けるキーボードやマウスは1台づつにしたいといこともあって、またまた切り替え器を購入することにした。切り替え器にはどういう製品があるかよくわからないので秋葉原でいきあたり勝負ということに。

   PowerMacintoshはキーボードもマウスもUSBだから、切り替え器はUSBとVGAを切り替えるタイプがベターだと思えた。秋葉館でIOGEARというメーカーの2:1の輸入品の切り替え器が7680円。切り替え器本体はエレコムの12000円定価の製品と同一OEM。ただしT-Zoneミナミでエレコム製品の実物を見たけれど、IOGEAR製品より約1000円高価でしかもケーブルが付属しない。IOGEAR製品にはVGA-USBのコンボケーブルが2本付属してくる。こういう場合の選択は単純だ。

   マウスはサトー無線(PC-Island)のワゴンセールでエレコムの超小型ホイールマウスが880円で売られていたのでそれを二箱買ってきた。Win/Mac対応でドライバーがちゃんとついてくる。2ボタン・マウスなのだが、右ボタンに様々な機能を割り振ることができるようなドライバーだ。880円は安すぎと言えるだろう。このPC-Islandはワゴンセールに掘り出し物があるので秋葉原に出向く際にはたいてい覗くことにしている。かなり前にやはり同じエレコムのUSBマウスを三箱買ったのだがこれも安かった。480円位だったと思う。どうしてこういう値段なのだろうといぶかしく思われたほどだ。今回はx12のCD-Rの11枚セットが391円というものがあった。二箱。前回は89円の10m長の10/100BaseTケーブルなんていうものも。3Fではカノープス的な形状のVideoカードが5980円~7980円程度で処分されていた。一枚とか考えたが使い道がないので取りやめ。

   USBキーボードは現状、PowerMac用の物しか持っていない。たぶんこれでWindowsも使えるのじゃないかと思われたけれど、念のために他を探すことに。ただ、MacとWindows両用をうたった製品はほとんどない。秋葉館やT-Zoneミナミを廻ったのもMac用のキーボードでWindows流用ができるものがあるかと思ったのだが....結局、Microsoft謹製のOffice Keyboardなる英語版の新製品を購入。下調べでMS社のHomePageで同社のUSBキーボードのいくつかにWin/Mac両用のものがあるのを見つけていたせいもある。ただ、Office Keyboardの日本語版は10月中旬の発売で、クレバリーやOvertopで販売されていた製品は純然たる英語版。Overtopの方が400円位安かった。それでも税込みで10,000円もした。さすがにマイクロソフト製なので、ドライバー的な面では不安がない。と思いきや、ドライバーインストール直後の再起動でWin2Kの起動画面が真っ青に(爆)。久しぶりのクラッシュだったけれど、再々起動で元通りうまく動くように。また、Mac側のドライバーもしっかりした構成で細々とした設定ができる。

   Home-Lan上では、とりあえずNT4.0のMac-Winのファイル共有が動いているのでMacOS-9ではファイル共有ができている。もちろん、Linuxのnetatalkも簡単な設定で動くのだが、そのちょっとしたことを面倒さにかまけてまだ手を付けていない。実用頻度的にMacとWinとのファイル共有のプライオリティはさほど高くないということも一因している。近々 Visual-Studio6.0をMSDNサブスクリプション(10/19発売予定)にupdateする予定でいるので、その後、Windows2000 svrを4.0とリプレースして強化を図ることを考えている。

   帰り際に新宿のヨドバシカメラに立ち寄り、HPのカラープリンタを一台。10/14までAppleのキャッシュバック・キャンペーンが継続されていて、HPのプリンタの五機種の一台を買うと一万円戻ってくるという仕組み。957cというミッドレンジのプリンタを19,800円で購入。Appleから一万円戻ってくるし、ポイントは13%還元なので、実質的に8000円弱程度で買ったことになる。最下位機種の840なら10,800円とかだからキャッシュバックだけでほとんど無料。実は、先週Mac本体を買った際に957は22,000円とかで売られていた。手持ちで持ちきれないのでその日はパスしたのだがパスして正解。一週間で10%も安くなっていた。うーむ。とにかく、PC製品は何にしろ安くなっている。それも日増しにという恐ろしい状況であるように思えた。こういう時代に昔とあまり変わらない商売ができる会社は数が少ない。AdobeとかQuarkとかのMacintoshのグラフィクス関連ソフト会社には高価なままのソフト製品が残っている。MS社の製品もさほど安くなっているわけではない。要はあるレベルを達成していて固定ユーザを抱えるまでの信頼を得ているかどうかところがデフレに負けない体質の基礎となるのかもしれない。

   他にはCodeWarrior7(win/Mac)。ポイントだけでAtok14(X & MacOS9)が0円に。このパッケージは10800円が通り相場だけど9390円ポイント分を含めると2300円程度違っている。

   ここ一週間ほど、最近のMac雑誌を何冊か眺めていて気づいたことがあるとすれば、各雑誌とも広告が本当に少なくなっているということだ。特にMacLife誌は...。Laoxも店舗再編でザ・コンも大改装中。しかもMac館は消失するという噂。需要低迷と製品高度化の頭打ちで、PC製品も白物家電製品やオーディオ製品的な買い換え需要中心の市場に変化しつつあるのかもしれない。  


●Macintosh と Windowsの共用環境2 (2001/10/17)

 ここのところWindows と Macintosh の共用環境について色々試している。現時点では、Macintosh のキーボードをそのまま流用することにしている。あえて購入したMicrosoft office keyboard (英語版)も捨てがたいのだが、現時点でサポートされているドライバではPowerMac のDVD-Driveのイジェクトのキー・アサインがうまくいかない。Apple Script のファイルを作ってそれをデスクトップ上からダブルクリックして逃げるなどということも考えた(試してはいない)が 、苦肉の策なので試す気にもなれない。また MS-office keyboard は、リスト・プレートというか手のひらをキーボードに置く部分が大きすぎ実際のキートップまで距離があるので、キーボードの置き場所が窮するという実際的な問題もある。ホイールやファンクションキーなどオプション全部盛りには魅力を感じるので惜しい。当たり前の話だが、MacのキーボードならMacを使う上では全く問題ない。

   WindowsでMacのキーボードを使う場合は、いくつか別の問題がある。一番大きい問題は、かな漢字変換への切り替えだろう。Macキーボードはいわゆる101キーボードとして扱うことにあなる。ただし純然たる101キーボードではないから、例えば数字の"1"の左隣のキー(106キーボードなら半角・英数キーに相当)がない。そのためかな漢字変換を行うための切り替えができないのだ。私はATOKを常用しているのだが、ATOKはその種の特殊キーのカスタマイズ機能がある。例えばCTRL-1あるいは、CTRL-Kといったコンビネーションキーをかな漢字変換と半角ダイレクト入力とを切り替える機能(かな漢字変換のON/OFF)に割り当てることができる。残る問題は、コントロール(CTRL)キーの配置や ALT=Option, AppleCommandKey=WindowsKey の異種割り当てやキートップレイアウトの違いだ。コントロールキーの配置はAppleの場合大昔からシフトキーの上部に置かれている。いまや絶滅機種となった日電のPC-9801と同じだ。しかしながらPC互換機のキーボードとは異なっている。個人史的にいえば長い間 9801/Macのキーボードを叩いてきた。だからPCのコントロールキーにも、触り始めには違和感があった。しかし慣れとは恐ろしいもので逆に今ではMacキーボードのコントロールキーに違和感がある。もちろんこれは単なる慣れの問題だからすぐに慣れてしまうだろう。

   MacOS10.1のアップグレード・パッケージはいまだ届いていない。やはり言われたとおり「1ヶ月」を要するのだろうか。まさに役所仕事のようで愕然とするものがある。基本的にMacOSは10をベースに使っていくつもりだから、イライラが積もり始めている。重要な点があるとすればOS-Xにはsambaが搭載されいてるところだ。sambaが動くならWindowsとのファイル交換は簡単に行えるはずなのだ。これができるできないでは雲泥の差がある。WindowsNTにはMacファイル共有機能がある。ただし、Macintosh側のドライバーにやや難ありで、4.0にお仕着せについてくるMac用のドライバーはバージョンが古くて、8.xではなにかと問題が多かった。だから最新版をどうにかしなくてはと思っていたのだが、MacOS9.0ならセレクタを開けばすでに接続済み。という感じでイージーだと思えた。MacOS-XではSambaがサポートされている(はず)だからファイル共有の問題は根本的に解決される。MacがsmbプロトコルをサポートするからNTのAppleTalkプロトコル・サービスは無用となるのかもしれない。

   開発環境としてのCodeWarriorはWin/MacそれぞれがシンメトリカルというかWinでもMacでも同一の開発ができるようになっている。CWを使う限りにおいて主要な言語の開発はかなり共用できる。だから、物理的なファイル共有環境が問題なのだ。ただ、WindowsのアプリケーションはやはりMS社のツールを使うべきだろうし,CWはその点では見劣りすることはやむを得ない。ただし、機種依存性の激しいMac/Winのアプリを今更書くかといえばたぶん答えはNOだ。とはいっても、気晴らし的というかボケ防止のためにトライしてみたいと思っている。その昔、Mac用のクラスライブラリをスクラッチから書いたことがあり、ソースコードもそこそこ量がある。とはいうものの、MacOSそのものがもはやレガシーだから....。

   プリンターの問題がまだ残っている。細々としたこともたくさんある。しかし、何もかも全て、MacとWindowsで実行できなくてはならないと考えているわけではない。メーカーじゃないのだから、全てという発想を個人ユーザがもつのは馬鹿げている。

   とりあえず今のところはボタン一押しで同一のマウス・キーボード、モニタを切り替えることができるようになった。でもいずれにせよ、MacOS-Xも10.0.4では話にならない。それでもMacOS-Xには期待している。Unix的な流れに乗ったことであの閉鎖性は随分と解消されてコネクティビティは改善されるだろう。ユーザは自身の環境のコネクティビティを十全に確保すべきだと思う。そうすれば、「おいしい」ところだけを食することができるのだから。Mac命とかWin命などというのは馬鹿げている。よいものはよのだから、下らないことで無駄な時間を費やすのは人生の無駄遣いだと思えて仕方がない。


●MacOS X 1.1 (2001/10/23)

 MacOS X 1.1 のアップデータが一昨日Apple Japanから届いたので早速インストールしてみた。インストールと同時にSCSIカードを増設した。SCSIカードの増設の目的は先月衝動買いしたYAMAHAの16倍速のCD/RW(SCSI)を接続させることにある。実はYahoo! オークションを通じてSCSIカードを2枚購入したのだった。2枚ともAdaptecのカードでAHA-2940とAHA-8945。さらにApple純正のSCSIドライブの中古も併せて入手した。そのAHA-2940もApple純正で初期のG3-PowerMacで使用していた物らしい。ハード的にはノートラブルだが、MacOS 9.2.1で肝心なYAMAHAのドライブがマウントされない。CD-ROMのドライバーが最低でも必要なのだろう、大昔のドライバーならどこかのCD-Rに保存してあるはずなのだがまだ試してはいない。ところが、MacOS-Xならば特に何もしていないのに、このドライブがマウントされるのである。ちなみに、今回入手したSCSIカードはドライバーのインストール無しでもハードディスクは問題なくマウントすることができている。2枚ともブータブルなSCSIカードだからということだからかもしれない。MacにはMacのブートシーケンスがあるし、PCにはPCのブートシーケンスがある。ブート可能だからといってもMacで使う場合はだからMac用のブートROMを持ったカードでなければダメなのではないか。

   AHA-8945のドライバーをインストールした後、再起動したところ、MacOS-X 1.1が起動過程でハングアップしてしまうというトラブルに巻き込まれてしまった。幸いにも、ノートンを手に入れたばかりだったので、イマージェンシー起動CDでMacOS9.1を立ち上げようとしたのだが、重症につき起動せず。結局、IDE-HDDをいったん外してSCSI-HDDを初期化すべくリカバリDiskを4枚読み込ませた。そしてその後、IDE-HDDを再接続し、SCSI-HDDから起動させて問題となったIDE-HDDを初期化した。

   現状、SCSI-HDD(9.2GB)を起動システム専用ドライブとして利用し、お仕着せのIDE-HDD(60GB)と増設したSeagateのIDE-HDD(30GB)はアプリケーションとデータ、バックアップ用として使っている。さて、MacOS-X 1.1だが、お世辞にも安定しているという状態とはほど遠い。とにかくFinderが何度もハングアップしている。特に旧Mac環境のClassic環境とのコンビネーションには問題が多い。プロセスの強制終了を行う機能も備わっているが、その強制終了途中でハングアップしたり、Finderが死んだりしている。この点でいえば、WindowsNT/2000の方が一日の長がある。仕事柄、ブラウザを使ってウィンドウを何枚も同時に開くのが常態なので、システムが安定していなければ怖くてデータベースを開くことができない。まだまだMacOS Xは趣味的利用に留めていたほうがよいと思える。

   あと、ファイルメーカーのV5.5を用いて、データベースのExport機能を用いてタブ切りのテキスト排出にどれくらい時間がかかるか。という実際的な処理でベンチマークをとってみた。リレーションの固まりのようなデータベースなのだが、Windows版(Athron1.2GHz)が25秒でMacOS 9.2(G4 867MHz)が約33秒。MacOS-X版で約60秒かかった。ストップウォッチを用いて何度か試行してみての結果だが、だいたいこの程度が実力値だと思われる。ちなみに、ファイルメーカーのWindows版の3.0なら約19秒でMac版の3.0だと25秒。バージョンが上がって遅くなっているのだからなんだかな~というところ。(^^;

   「反ギガヘルツ神話」キャンペーンをアップルは行っているが、ことファイルメーカーに限って言えば、アップル版とMacintosh版ではおそらく、クロック周波数通りの違いが出ているように思われる。また、MacOS-X 環境の場合はMacOS 9.2 のおおよそ倍の時間がかかっているという点は残念というか、がっかりしている。なぜこれほどMacOS-X環境だと遅くなるかといえば、MacOS-XのファイルシステムのAPIのチューニング不足が第一の理由として考えられる。Unix/Linuxのファイル管理システムとMacintoshのHFSのファイル管理とではAPIのレベルで随分と異なっている。そこを無理やり統合しているところに、MacOS-Xの苦しさがあるはずなのだ。もちろん、ファイルメーカー側のチューニング不足ということも考慮されるべきではあるが、この処理時間の遅さは今後チューニングがなされたとしてもどれだけ改善され得るか。期待せざるを得ないが.....。

   マルチメディア・再生マシンという点に限れば、macは魅力あるマシンであることは言うまでもないが、仕事的用途で実用的かといえば、不安や疑念が晴れたわけではない。要はたとえばブラウザがハングアップした場合、他のアプリケーションで行っている入力中のデータや処理途中のデータベースなどがどこまで「プロテクト」され「救済」され得るのかが問題で、この点で言えば、MacOS-Xは言うに及ばず、MacOS 9.2でも不安が残る。同様にWin95/98/98MEでもこの点に限って言えば怖くて仕事用途では使えない。ハングアップしているプロセスを強制終了できて、なおかつ強制終了後に「完全復帰」できるかどうか。この点のリスクが一番の問題なのだ。

 
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   今週は、他に、これもまた、昨年末に中古で購入したPowerBook1400CS/166MHzのHDDを換装した。ソフマップで9000円弱で購入した富士通製の2.5インチの12GBのHDDだが、いまでは20GBのHDDなら12000円程度で買えるので、これも「しまった」ちゃんなのであった。気にしていなかったことだが、PB-1400CSのIDEインタフェースはATA-33なのだそうだ。ソフマップの店員氏に言わせれば、ATA-33のインタフェースにATA-66のドライブを接続した場合認識されないことがある。とのことだそうだが、そんな馬鹿なことは無いはずなのだ。ATA-66のドライブはATA-33でも動くはずなのだから。それより、富士通製の2.5インチHDDはコネクタピンを覆うように基板が突き出ていることが問題で、コネクタ接続の具合を狭いPB-1400CSのHDベイでは東芝製のHDDのようにコネクタの接続具合を目視確認できないのが難点。東芝やIBMのHDDではコネクタが完全に露出しているので、コネクタの接続不良は目視確認で防止できる。増設目的なら富士通の2.5インチHDDは避けたほうがよいのかもしれない。

   あと、MSDN Subscription を購入した。MS社のOS一式とVisualStudio一式がのセットなのだが、箱に入っていたのはまさにMSDNのライブラリだけ。商品構成物の大半はユーザ登録後に郵送されてくる仕組み。ううむ。

   そろそろ、Windows-XPが出てくる。最近のMS社はNetscape社の凋落にともなって、まさに封建君主と化してきている。ユーザ認証(太閤検地あるいは人別帳)制度とサブスクリプション(年貢)制度をうち立てるべく変質しつつある。Windows2000とOffice2000の組み合わせを可能な限り使い続ける。という抵抗のしかたも考慮しなくてはならないかもしれない。ただしかし、彼らは競争相手に苦しめられる前に、PC/半導体業界の技術的停滞に苦しめられることになるのではないか。ソフトウェアもVersion5.0以上ともなれば、あとは好みと惰性の問題だ。追加すべき新機軸が出尽くせば、そのソフトウェアやハードウェア製品の命脈は絶たれる。意外とそんな日がすぐやってくるのかもしれない。

 


●iMovie2 (2001/10/30)

   MacintoshはMacPlusから使ってきたという個人的な事情から(83年~85年はApple][もどきのユーザでもあった)、Macにはある種の感慨を抱かざるを得ない部分がある。ただ、根がひねくれているせいもあって、エバンジェリストを気取るほどの思い入れを抱いたことはない。大昔のMac系のBBS(「瓦VAN」「吐息でネット」「WhiteBoard」、Nifty,Mixなど)が一世を風靡していた頃、僕はAtari-STにお熱だった。当時(88年から93年くらいまでの間)IIcxを使ってはいたが、Apple製品は本体だけで、プリンタもモニタもその他何もかも3rdパーティ製品で固めるのが「主義」だった。それらBBSを先導していたMacユーザの多くは今もMacユーザとして健在のようだ。かくいう私はここ何年かMac的世界から離れてずいぶんと遠くにいた。

   広い意味でのPC(Wintel+Mac+Commodore+.....)を楽しむのなら、ユーザに徹するのが一番だ。経験者として断言できることがあるとすれば、なまじ開発者の側に回るとろくな事はない。これは確かなことだ。WindowsにしてもMacintoshにしても、GUIベースのアプリケーション開発に絡むなどというのは趣味だけにしておいたほうがいい。仕事の半分以上が本来的な機能とは全く無関係な部分で苦労することになる。

   だから、僕はもう趣味以外でそうした仕事をやろうとは思わない。まぁ、年齢的にプログラマとしては現役を引退していて当然という世代だから、こんなジジ臭いことを書いたりしているのだろう。実は同世代の友人・知人はまだまだ現役で頑張っている。ううむ。

   しかしして、iMovieなのだ。いやはや、久々にこれは凄いと思えたソフトウェアだ。手持ちのSonyのDCR-TRV30というデジタル・ビデオカメラをIEEE-1394(iLink/FireWire)ケーブルでMacに接続するだけで、このiMovieだけでビデオ再生や影像編集・書き出し出力などをすべてコントロールできてしまう。実は子供のイベントを撮った映像テープをこのiMovieで編集したのだが、実に簡単お手軽にビデオ編集ができるので驚いているというか感動さえしている。もちろんビデオ編集といっても、素人的な簡単なことしかしていない。要はキャップをはめたまま撮った真っ暗画面とか地面だけの画面や世界が大振動しているような手ぶれ映像を切り捨てるだけの作業だけ。それでも、ダビングをポーズ&スタートで制御しながらむりやり編集するような手法ではなし得ないような編集が簡単にできる。またiMovieにはタイトル挿入や効果音の挿入や、映像のエフェクト処理のサポートがいくつかある。ホームビデオ編集なら十分という機能だ。それでも上位ソフトの Final Cut Pro とかを使えばもっと色々なことができるのだろうな。とついつい上を見上げてしまいたくなる。

   色々な意味でノイジーな未編集のテープでは、たとえば家族全員でそれを再生してみても拍子抜けする場面が多々ありがっかりすることがある。ところが、適度に編集を加えると、なんというか「見れる」ようになるのだ。これは新たな発見というか驚きで、編集したテープはもう何度も繰り返して見ている。実際ホーム・ビデオ編集は病みつきになりそうな感じがしていて怖い。

   まだ、Macintosh IIfxが最新鋭機だったころ、静止画像のMPEG圧縮をAppleTalkネットワーク制御を絡めて行うようなシステム開発プロジェクトを管理した経験があるので、こうした編集ソフトがたとえスタンド・アロンで動くものだとはいえ内部的に大変な処理を行っているということは容易に想像がつく。だから、ユーザとして「使うだけの立場」っていいな。と心から思わざるを得ないのです。なはは。まったくのオヤジになってしまったのね > ぼく




●X Party (2001/11/3)

 昨日、ASCII主催のMacOS Xのパーティ形式のプレゼンショーに行って来た。招待券は抽選当選で郵送されてきたもので倍率もあり、中にはYahoo! オークションでうりにだされたものもある。5000円の値段がついていた。売れたならそれが正解だったかもしれない。場所は渋谷円山町のホテル街のど真ん中のクラブハウス。参加者はそのまま観光バスで秋葉原へ集団移送してもおかしくない風体の男性がほとんど。なんというか場違い甚だしい印象。と人のことばかり言ってはおられないのであるが。

   MacOS Xには期待はしているが、昨日、大昔にCD-Rに保存しておいたC++のソースコードをリストアしている最中にカーネルパニックが発生してコアダンプするし.....という具合で今いち常用するには危ういところがある。原因的にはSCSIのドライバがパニくってしまった模様。ドライバが死ぬとWindows2000でも画面が真っ青になる。    とにかく午後5時から11時近くまでの6時間、立ちっぱなしでプレゼンを聞き続けるというのも忍耐が要った。最後の抽選会目当てだったようだが、なんというか、Macユーザは羊のごとく辛抱強いのだなぁとつくづく感心した。(というお前も最後までいたじゃないかって?)

   いずれにしても、Macintoshの今というのは、一昔前のAmigaのポジションだといっていいかもしれない。ビデオ・3D・CG 編集という分野に限っていえば、Macintoshのユーザ支持度は高い。ただ、やっぱりそれは危ういポジションでもあるだろう。プレゼンでもビジネス関連のプレゼンを行ったのは唯一マイクロソフト社だけ。というのがその危うさを象徴している。Macはファイルシステムの脆弱さから基幹システムのプラットフォームには向いていない。これは昔からだ。HFSは対するDOSのころから重かった。大昔にオリジナルで書いたISAMという原初的なDBエンジンをDOSとMacOSとで比較実行したことがあるがDOSの方が数段速かった。これは先日ベンチマークを取ったファイルメーカでも同様な結果が出ている。ううむ。

   そうそう、MacOS X1.1にはsamba クライアントが標準装備されている。ただし、現状では1接続しか論理・物理接続できない。複数のWin機に接続しようとするとカーネルパニックを起こす危険性があるとのこと。ううむ。それでも、smb接続があるのは便利だ。とりあえ日本語ファイル名も文字化けしない。接続方法はファインダーの「移動」メニューから「サーバー選択」を選び

   smb://wg_name;user_mame@win_pc_name/dir_name

   と打ち入れると接続できる。ここで指定するパラメータは、実在するWin機のワークグループ名、パスワード登録されているユーザ名、そして共有設定されているディレクトリ名だ。たとえば、TCP/IPのLAN上に「wgp」というワークグループ名の「win2k」という名前のPC機の「c:mac_dir」というディレクトリを「読み書き可能」として共有設定しておけば、登録ユーザ「dune」で次のように打ち入れればよいだろう

   smb://wgp;dune@win2k/mac_dir

ただし、この接続指定でlinuxのsambaサービスに接続することはいまのところできていない。あまり熱心に試していないので設定の仕方で可能となるかもしれない。ただしLinux機に接続する方法として、MacOS X1.1はNFS接続もサポートしているからLinux機はNFSで接続した方がよいかもしれない。 他にもAppletalkサービスを実現するNetatalkを使うという接続方法もある。また、WindowsもNTサーバーならばAppleTalk接続サービスがある。NT4.0で試したのだが日本語ファイル名が文字化けするのでやっかい。近々Windows2000サーバーやWindowsXPをまとめて入手予定(MSDN)なので入手次第、AppleTalk経由の接続サービスを試す予定。機能的にはMediaVisionの扱いになるDaveずなのでという接続ソフトを使う方がベターかもしれない。もちろん、MacOS-Xサーバーを使うとか、フリーウェア系のSamba Xをインストールするという手段もあるだろう。問題は発生しうるリスクとその防止対策費用のバランスをどう考えるかにかかている。

いずれにしても、MacOSがUnix系になったことで、コネクティビティに限って言えば、Unix系のTool類のサポートが今後厚くなるだろう。OpenTransportを直接叩くのではなく、Unix的APIを経由したサポートがイージーになることから、Macはすこしは「普通」になるかもしれない。


●WindowsXP (2001/11/16)

   今日はWindowsXP の発売日。大騒ぎ的なニュースはほとんど耳にしていない。それはOEMパッケージやXP実装PCがすでに販売されているせいかもしれない。かくいう私は、MSDNサブスクリプション・ライセンスユーザなので、実はMS社の専用FTPサイトからXPパッケージをダウンロードしてインストール済み。

   MSDNサブスクリプションには利点と悪しき点がある。良い点は経済性だ。といっても、この経済性はあくまでMS社のプロダクトの価格体系を前提にしたお買い得感であるに過ぎない。僕が購入したのはプロフェッショナルグレードで、4クラスの下から2番目。企業向けの基幹システムを構築するなどという仕事からはとっくに身を引いているので上位クラスは不要だがC++とかVBとかをいじれる環境は確保しておきたいと考えてのことだ。それでも、MS社のOSプロダクトのほとんどについて開発用途限定とはいえ、正規ライセンスを購入したことになる。もちろん、Windowsだけでも2.0/3.0/3.1/NT4.0_WS/NT4.0_Svr/95/98/Me/2000と10バージョンもきちんと買っている。過去のバージョンはライセンス的には重複しているものが多い。それでも、MSDNのパッケージはいわゆるフルインストール版だから新規インストールなどを行う際のある種の手間を省略できるところがイージー。

   悪しき点は、日本ではXPから導入されたアクティべーション機能だろう。それと、利用ライセンスのサブスクリプション化だ。マシン1台について1ライセンスをある意味で強引に押し進めようとしている昨今のMS社のあり方には疑問を持たざるを得ない。私の場合はユーザは基本的に私だけだからライセンスをボリューム購入する必要がないから出費も最小限の1ライセンスで十分だ。企業ユーザともなるとそうはいかないだろうからマシンの数だけライセンスを購入するのは大変なことだと想像できる。さらにいえば、このライセンシー認証にインターネットを利用している点だ。彼らは明らかにマシン情報を個別に集約して吸い上げる技術を確立している。誰がどのようなハードウェアを使い、どのようなソフトウェアを利用しているかが筒抜けになっているということだ。後者についてはMSは否定するかもしれない。しかし、すでに技術的には可能になっていると考えておいた方がいい。MS社は公然とトロイの木馬をユーザマシンに設置していると見なし得る。そしてユーザ認証の段階で各ユーザにサインアップを迫りサインアップしない者に対しては30日を限度に利用停止措置を実行するというわけだ。

   MSDNサブスクリプションを購入しユーザ登録をしたのち、WindowsXP Professional版とWindows2000 Serverをダウンロードして早速インストールした。正規には複数のCD-ROMで構成された全パッケージが送付されるはずなのだが、申込者多数のため発送が遅れている。MS社に納品時期を確認したところ今月末にならないとアベイラブルにならないらしい。次善の策としてダウンロードサービスを利用せざるを得なかったというのが本当のところだ。WindowsXPも2000Serverも500MBを超えるが、ADSL接続ならそれぞれ1時間程度でダウンロードできた。

   WindowsXPを使ってみての第一印象は、角の丸くなった名刺をもらったときの異質な感じというアレだ。アイコンやウィンドウのデザインはある種とても「女性的」になったという感じがする。女流作家の小説を読んだ際に感じる生理的な異質感みたいなものを感じた。これがファーストインプレッション。CD-R書き込み機能が追加されているということなので試してみた。簡易で日常的な利用ではこれで十分だと思われた。その他ビデオ処理系が強化されているようだ。いずれにしても使い込んでみる必要がある。

   Windows2000サーバーを700MHzのDuron機にインストールしてみた。所詮サーバーなのでデスクトップ利用は当面行う予定はないのだが、MS-Networkのための共有フォルダとMacintoshのためのAppleTalkサービスの設定を行ってみた。現状WindowNT4.0Serverと同様な設定で利用している。MS-Networkの設定はフォルダの共有設定でとりあえずつながる。ただし、リモートから書き込みを行うためにはユーザ権限を設定しなくてはならない。

   問題は、むしろAppleTalkサービスのための共有設定だ。ファイルメーカーのデータベースをWin/Macで共有させるために、データベースの置き場所としてこのWindows2000 Serverを使うことを目論んでいる。これが当面の課題。まず、設定上で重要な点があるとすれば、Windows2000 Server側のネットワーク設定でAppleTalkプロトコルのプロパティを開き、そのオプション設定の「外部着信を有効にする」設定をONにすることだ。これを設定しないといつまでたってもMacintosh側からNTServerが見えない。Windows2000 Server のAppleTalkサービスは基本的な点でNT4.0のそれと大して変わっていない。ただしNT4.0にくらべて厄介な点がひとつある。それはWindows2000サーバーではユーザ認証に際してパスワードをやりとりする際に暗号化されているパケットを用いるという点だ。この暗号化された認証メソッドを通すために、MicoroSoftはNTの共有フォルダにあらかじめAppleShareに対応したinit類をデフォルトで入れて置いている。MacOS 8.xではこのinit類を組み込まないとアクセスできない。MacOS 9.xではあらかじめNTのユーザ認証のためのinit類が組み込まれているようで、特に何もしなくてもNTサーバー側で設定したユーザID/Passwordで接続ができる。旧MacOSではNT4.0/2000ともども比較的簡単に接続できる。さてMacOS-Xではどうか。今のところ、WindowsNT4.0の方は問題ない。しかし、2000Serverは暗号化されたメソッドしか受け付けないようなのでプレーンパケットしか送れないMacOS-Xの接続ダイアログ経由ではNT2000側が拒絶してつながらない。この部分のソリューション責任はApple側というよりMS側にあるだろうから、MS社のサポートに頼らざるを得ないと思われる。このNTサーバーのユーザ認証の問題はSambaサーバー(むしろSWATツールが集約している)関連ドキュメントの中に「外的視点」から解説してあるものがあるからそれが参考になるだろう。裏技的な解決方法として、NTサーバーのレジストリをいじるという手段があるかもしれない。ただ、同様の手法でWindows98クライアント機をだますということはやったことはあるけど、サーバーを同様なやり方でライト・ハックしたいとは考えていない。

   こういう事情から、当面の間、NT4.0サーバーとWindows2000サーバーを併置せざるを得ない。NTサーバーとの連携だけをとってみてもMacOS-Xは十分ではない。もしかすると米国のどこかのサイトに(Micorsoft.comを含む)解決策が転がっているかもしれない。いずれにしても時がたてば解決策を簡単に得ることができるだろう。


●Windows2000サーバーとMacOS-X1.1 (2001/11/24)

   Windows2000サーバーとMacOS-Xの接続ができない点がここ何日かの懸案事項で、参考書の類を本屋とかで立ち読みしたりしていた。文献的にはつながらないことは無いようなので、どこか設定不足なのだと思われる。実は、ふとしたことから、意外に簡単に接続が実現でき暫定的であるがこの問題は解決した。

   手順としては、以下の通り。

 1.MacOS 9.1のセレクタを用いてまずWindows2000サーバーのMacintosh UAM Volumeへの接続を試みる。
 2.接続の過程で起動時にWindows2000のボリュームを最低1つ、自動マウント設定する。
 3.MacOS-X を起動する。
 4.クラッシック環境で走るアプリケーションを何か起動する。
 5.クラッシック環境起動が終了する直前にWindows2000サーバーへの接続ダイアログが出るので素直に接続させる。
 6.Windows2000サーバーと接続したら、接続ボリュームのアイコンのエイリアスを作成する。
 7.いったん、MacOS-Xをシャットダウンし、再起動する。
 8.MacOS-Xが起動したら先に作成したエイリアスをクリックし接続を試みる。
 9.接続ダイアログにパスワードを入れれば、接続が完了する。

   という具合。とにもかくにも、起動しただけのMacOS-Xでは接続できないが、クラッシック環境であるMacOS 9.1をバックドアとして利用すればMacOS-X起動中でもMacOS9.1経由でWindows2000サーバーに接続できる。さらに再起動後も残しておいたエイリアスを用いれば、今度はクラッシック環境としてのMacOS 9.1抜きでもWindows2000を「こじ開ける」ことができる(この場合クラッシック環境は不要)。という感じなのだ。ちなみに、MacOS-Xはすでに10.1.1のパッチが出回っているようだがインストールはしていない。また、Windows2000サーバーの方のアップグレードパッケージはSP1/SP2ともに手を付けていない。という状態での話だ。いったん接続してしまえば、MacOS-X1.1の「移動」メニューにある「サーバー接続」項目から他のSFMボリュームに接続することは当たり前のように実行できる。ほんとうにちょっとしたことがダイレクト接続を阻んでいるように思える。このような接続が可能となっても、MacOS-X起動直後に「移動:サーバー接続」を用いた接続ははじかれたまま。

   Windows2000 Serverの SP1/SP2 さらに MacOS-X10.1.1パッチをあてがえばこの問題はもっとクリアに解決できるだろうか。気が向いたら試してみることにしよう。




●家庭用ゲーム機 (2001/11/26)

   先日、例によって新宿西口のヨドバシでゲームキューブ版の「スマッシュブラザーズDX」を発売日に買ってきた。ちょうど昼時でもあったので、カウンターには結構人が並んでいた。本体を買う人も多い。スマブラはN64と同様、任天堂伝家のキラーソフトの一本であるから、これでゲームキューブもようやく離陸できるのではなかろうか。来月12日には「どうぶつの森」も発売を控えている(現在N64版はプレミアが付いて1本1万円前後で取り引きされている希有なタイトルになっている)。

   ここ半年くらい、いわゆる家庭用ゲームコンソールをソフト・ハード共々漁り続けている。といっても、中古で買うことの方が多い。ヤフー・オークションが主なリソースだ。数を漁るという点でいえば、ゲーム機本体とソフトをパックにした処分品に出物が多い。ソフト単品は中古業者の独壇場と化しているからさほど面白くない。さらに細かいことを言えば箱や取り説まできちんとしているものがいい。業者やマニアが中古として入手したものの二次流通品は概して粗悪だから避けるべきだろう。いずれにしてもオークションに流れてくる物は、訳有り品が多いのでトラブル故の放棄品を掴むとそれはそれで厄介だ。だから、そういう物はさっさとオークションで処分してしまう。というループが出来上がっている。それゆえますますトラブル的問題が濃縮するという具合らしい。

   8ビットPCはApple][もAtari400/800もC64もたいていコンポジット・ビデオ出力だから普通のテレビでも十分対応できる。ところがゲーム機としての側面も併せ持っているAmigaやAtariSTのような古い16bit機はRGB出力のモードもあるので、一概にTVで済ませるというわけにいかない。さらに言えば、RGBモニタも水平同期信号周波数が15.6KHz前後と低く、今時の互換機用のモニタをつなげることはまずできない。VGAの最低解像度640*480でさえ、水平同期信号周波数は31KHzだからだ。そういうことがあって昔のカラーモニタをいまだに捨てられないのでいる。これが場所塞ぎで困っている。

   水平同期信号周波数が31KHzあるいはそれ以上のカラーモニタ(あるいは液晶モニタ)が机を占有しているが故に、VGA/SVGA/XGA対応のモニタでそれら古いPC(15.6KHz)あるいは家庭用のゲーム機をつなげたいという欲求が生じるのは自然な成り行きといえるだろう。この問題の解決の方法は二種類ある。一つはAV機能つまりビデオキャプチャ機能をPC自体に装備させて、Windows/Macintoshのデスクトップ上に開いた「動画窓」に出力させる方法が一つ。それとは別の方法があるとすれば、ビデオ信号あるいは16.5KHzのRGB信号をアップスキャン・コンバータを介して直接モニタで表示させるという方法。8000円~22000円前後で入手できる。

   現在使用しているのは、マイコンソフト(電波新聞社)のXRGB-2というアップスキャンコンバータだ。これには15.6KHzの水平同期信号をもつRGB信号を変換できる機能がある(ただし、21ピンのAVコネクタのみの入力)。この製品は古いPCユーザというよりは、中古の業務用ゲーム基板のコレクタ・ホビーストを強く意識した製品だ。スーファミやPSなどが出力するビデオ・音声信号も入力可能だが1系統のみ。もし用途がこれらの家庭用ゲーム機に限られるのであれば8000円程度の安い機種で3系統の自動切り替え機能付きのアップスキャンコンバータが入手可能だからそちらのほうがいいだろうと思う。

   Segaサターンは内蔵のボタン電池がすでに寿命で電源投入時にカレンダーが毎回リセットされるという話をよく目にする。本体の裏蓋を外せば電池交換は容易に出来る。しかし、任天堂のゲーム・カートリッジに内蔵されたゲームデータバックアップ用の電池となると交換は容易ではない。ゲームカートリッジの蓋を開けるために特殊な「ねじ回し」が必要だからだ。任天堂系のゲームカートリッジはそうした電池の保守もそろそろ考えなければならない時期にさしかかりつつあるのではないか。そういうことを結構気にしている。


●無停電電源 (2001/12/12)

 先日、台所で電子レンジとオープントースターと電気釜とを同時に使用したところブレーカーが飛んでしまい、サーバーの何台かを強制シャットダウンさせてしまった。すでに主機とメイン・サーバーにはオムロン製のバックアップ電源(無停電電源)を入れてあるので何事も起きなかった。ところが、予備サーバー的なLinux機は再起動に失敗し、ディスクのメンテナンスが必要とのメッセージで停止状態。fsckコマンドを使えとのご宣託。fsck? "s" が "u" だったらこん畜生ではないかと、-Aオプションを添えてルート・レベルからチェック修改を試みたら、回復不能状態になってしまった。まったくもってこん畜生状態に。ううむ。

   このような局面で、アドミンに求められるあのレベルを僕自身がキープしていないのは明らかだ。セクタレベルでファイルシステムをメンテンナンスできるのはせいぜいCP/MかDOS止まり。それ以上のシステムではWindowsにせよMacintoshにしてもノートン・ユーティリティに全て一任している状態。だから、正直言ってLinuxのファイル・システムがクラッシュした場合、手の施しようがない。fsckコマンドを使う場合は -N で疑似修復をかけてからその結果をみながら -Nオプションでルートファイルを除いた修改を行い、それでもだめな場合は可能な限りバックアップをとり-Rコマンドで全部の修改を実施する。という手順のほうが安全なのだろう。ただ、こういうことはクラッシュさせてしまったあとでわかることであって、日常的に使い慣れているコマンドではないから、なんというか、もうしょうがないなぁ。というところ。

   拙宅の屋内配線はマスターブレーカーの先が二系統に分かれていて、PC類の大半は台所系統のコンセントから電源を引いている。そのため東電との契約の問題もあるが、年に1~2回程度、ブレーカーを飛ばす事故がいままでもあった。それで主機には無停電電源を入れてあったのだが、増設したサーバー類にはそうした保護対策を怠っていたのだった。その無策が裏目にでたのが今回の事故だ。次善の策として、慌てて新宿のヨドバシに駆け込んでさらに2台の無停電電源を買ってきた。オムロンの横型の300Wタイプ。19800円。かつて仕事先でOracleなどの開発をしていたときはAPC社製の電源を入れていたことがある。WindowsNTでも無停電電源についてはAPC社の製品が事実上標準扱いになっている。ただAPC社製のそれは筐体が何とも言えずの場所取りで今の部屋では置き場所がない。オムロンの薄型の電源はちょうどPC2台と棚との間に置けるのでスペースファクター的に問題が少ないものと思える。実際的に無停電電源を使う場合は、シリアルポートを用いて電源装置とつなげて停電を関知したらバッテリーから100Vを生成し続けれる間(約3分間程度:ウルトラマンみたい!)にシステムをシャットオフするという処理を自動的に行う設定にするのが普通だ。しかし、我が家の場合のブレーカー事故では、たいていオープントースターをオフにしてからブレーカーを元に戻せば一件落着する。それに要する時間も3分以内。といった経験からオート・シャットオフの設定はあえてしていない。無停電電源装置の利用の実状は、単純にAC100Vのテーブルタップ・コンセント的に使っているだけなのである。

   もちろん、こういう使い方では、落雷や台風など天災による停電に対しては全く役に立たない場合もあるだろう。これまで10年程度を振り返れば、落雷時に停電するケースはだいたい3年に1回あるかどうか程度でほとんどが瞬間停電。停電が数分にわたることケースはレアケースだ。だから仮に1分程度以上停電が続くようなそのレアケースに遭遇した場合はマニュアル・シャットダウンする。ということで対処しようと考えている。ただし、現状の設定ではまだ電源装置が足りない。現在はPC本体を1電源装置に対して2台接続している。しかし現状では、モニタやUSBハブなどの外部装置の電源は保護化していない。いわば頭隠して尻隠さずの状態。これではマニュアルでシャットダウンするにしてもキーボードもマウスも使えないし、モニタも真っ暗なまま。ということで、さらにもう一台電源装置が必要と思われる。テーブルタップ型の電源装置はコレガ製の175W程のものが14,000円程度で売られている。モニタとUSBハブさらにイーサのHUBとモニタ切り替え器などの機器の電源バックアップにはそんなもので十分だと思える。機会があれば購入することになるだろう。

   今回の事故ではさしたる実害があったわけではない。Linuxの再インストールだって半日程度というところ。それでも「備えあれば憂いなし」との諺通り備えは万全にしておくに越したことはない。といっても無停電電源というのはつまらない買い物であることも事実。だって、実際のはなし日常的には「役に立たない」のが本来の姿だから。いじり倒してウニウニするような代物ではないのであるし、4万も5万も投資することを考えれば液晶モニタでも買ったほうがはるかに実用的であるように思いたくなる。まぁ、結局「仕事」に対する投資と個人的な買い物とはこの点が分かれ目になるのだろう。仕事の場合、「安全」は買わなければならないのだ。    


●K7TPro2-A(6330)その後 (2001/12/23)

ずいぶん前に書いた、MSIのトラブル三兄弟基板の長兄ともいえるK7TPro2-A(6330)が昨日ほぼ完全に死亡してしまった。享年1年と3ヶ月。

 このK7TPro2-A(6330)にはDuron 700MHzを実装しWindows2000 Serverを基本OSにファイルサーバー用途で使っていた。特にWin2KサーバーのAppleTalk互換サービスを利用したフォルダにはファイルメーカーのデータベースを入れて、Win/Mac双方からアクセスできるようにしていた。重要度としては3番目に位置だった。

   この基板は購入当初からわけあり状態だった。起動時にBeepが鳴り続けるというトラブルがあり一度MSIに返して修理を依頼したこともある。その顛末については以前書いた。異常なしということで何も処置されずに戻ってきた。事実として何も異常がなかったかどうか。結果としては短命な基板でしかなかった。

   不安定とはいえ使える間は使おう。ということで短い間ではあったが、純然たるファイル・プリンタ・サーバーとして利用していた。Windows2000 Server OSを利用してMac/Win共有サーバーとして動かしていた。それが2週間前に一度ネットワークから全く見えなくなってしまった。確かめると電源は入っているにもかかわらず画面への出力が全くないという状態に陥っていた。リセットしてもBIOSの起動メッセージすら表示されない。そこでいったん電源を切って冷却してから再起動するととりあえず立ち上がったりする。実は初回のトラブルの直後の再起動はずっと使えていたので、いわゆる「不安定」の顕れかと思い特に対策もせずにそのままにしていた。ところが昨日、同じ症状が再現した。今回は前回より深刻で電源の再投入でもモニタ画面は真っ黒のままだった。基板上のエラーステータスのLEDを見ると、CPUもしくは基板のトラブルであるという状態。しかし、LEDにエラー表示できる程度にCPUが動いているのだから、CPUエラーとは考えにくい。

   そこで仕方ないので、秋葉原へ基板を買いに行った。今回はASUSのP7A-133というSD-RAMベースの基板。1枚が約10,800円程度の品物。それを2枚。AMDのSocket-A対応の基板の多くはDDR-RAM-DIMM対応が普通になっているが、手持ちのメモリのほとんどがSD-RAMなのでSD-RAM対応のマザボは必須だった。それに加えてCPUも新調した。Duron 1.2GHz。従来より1.5倍程度高速になった。

   マザボを新調しチップセットがVIA KT-133からALiのものに変更されたため、ハードディスクに入っていたWindows2000 Servreは起動画面を青くするだけで役に立たなかった。このトラブルについては重ね書き修復で元通りした。ものはついでということで、AT仕様のPC1台を作り直した。やはり同じ構成でDuron1.2GHzをASUSの基板に実装した。ASUSは我が家ではこれまで比較的安定的に動いてきた実績がある。A7Vではほとんどトラブルに遭遇していない。2台目のASUS-Duron1.2GHzにはやはりWindows2000 Serverをインストールし、さらにOracle8.0.5をインストールした。ファイルメーカーではやりきれないような処理をOracleのストアド・プロシージャで行おう。という目論見を抱いている。このOracleは開発者向けに米国Oracleが無料配布したものだ。元々はWinNT4.0対応だが、Windows2000 Serverで動いている。ClientはWindowsXPでも動いている。

   我が家のシステム構成もこの1年で弩級度をずいぶん増した。準備万端というほどではないが、「なんでも試すことができる環境」という感じになってきている。手を入れるべきところはまだまだあるから、来年にはもっと充実した状況を作り出せれるだろう。




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